私が住むポートランドには、古い住宅を対象とする「Deconstruction requirement(解体条例)」というものが存在しています。
は、この解体条例の目的とその意義を紹介しました。
この後編では、実際に、破壊することなく解体し、保存できるものは保存してリノベーションしたポートランドの住宅街にある100年住宅を紹介します。
手がけたBETTER BUILDERS OF OREGONのJerryさんとTerriさんにお話しを聞いてきました。
解体して保存するものと再利用するもの
階段の横にあるのが、地下室から撤去された梁を活用して作った柱。
この住宅のリノベーションは、多くのものを一度解体しています。Jerryさんに残したものを伺うと「2つの寝室とメインのリビングエリアのオリジナルの床材は残しました。また、床の骨組み、壁の骨組み、コンクリートの一部、3枚ほどのコンクリート壁、屋根の構造はすべて保存しました」。
その上で内部はすべてつくりなおしたそうです。興味深かったものは、地下室から撤去したという、床の荷重を支えていた梁。Jerryさんたちは、梁としてそのまま保存するわけではなく、柱や手すりに作り替え、再利用しました。
この洗面台の板も同様に梁から作られています。
階段の手すりにも地下室の梁が再利用されています。
家中の至る所に再利用された梁がありました。写真を見ていただくとわかるように、新しい材にしか見えないですよね!
リビングと寝室の床は、2年前に住宅を購入した当時カーペットで覆われていたそう。剥いでみたら、綺麗なホワイトオークの床板やダグラスファーの床板が出てきました。古い床材の幅はとても細く、新しい床材の幅は広いという特徴があるそうです。細い理由はその樹木本来の太さによるもので、100年前の木はまだ細く、今同じ木から作ろうと思うとこの細さにはならないとか。
カーペットの下から出てきた古い床材。現代のものより幅が細めです。やすりで綺麗に削って使っています。
写真の手前は古い床材。奥は新しい床材。幅が異なるのがわかります。
またTerriさん曰く「古いものは木目が非常に緻密なので、今では非常に高価で入手困難です」。床板はそのまま保存して使うといっても、場所をかえて敷き直したり、セントラルヒーティングの吹き出し口のように穴になっていたところに持ってきて使ったりされています。たとえば1階の寝室は張り直すことで、遊び心が垣間見える床になっています。




