次世代を担う若手マーケター・クリエイターを紹介する月刊『宣伝会議』の連載『R30のホープたち』。新たな時代を担うホープたちはどのようなポテンシャルを秘めているのだろうか。今回は、オイシックス・ラ・大地で活躍する野﨑真衣さんに話を聞いた。
※本記事は月刊『宣伝会議』9月号の転載記事です。
注目のマーケティングキーワード「TTP(徹底的にパクる)」
前職で「いきなりゼロから生み出すのは難しい。良いものを真似て再現するだけでも大変なことだ」と教わったのが、ずっと心に残っています。良い事例があれば、まずはそれを徹底的に真似てみる。それは他社の事例だけでなく、社内の別チームの成功事例も同じです。その成功を自分のチームで再現するならどう応用できるか。常に横展開を意識することが、新しい企画を生み出す近道だと考えています。
前職ではEC業務を経験 一貫して変わらぬ「食」への愛
有機野菜やミールキットなど、食品宅配サービスを展開するオイシックス・ラ・大地。同社のECサイトで、旬の食べ物や季節イベントに合わせた専門の販売ページである「特集ページ」の企画チームを率いるのが、入社3年目の野﨑真衣さんだ。プレイヤーとして数々のヒット企画を生み出し、2025年4月からはチームマネージャーとして新たな挑戦が始まった。
大学では理学部生物科で植物生態学を専攻。「仮説を立て、実験し、レビューして次につなげるという研究プロセスは、今の企画業務の考え方に通じています」と語る野﨑さん。
キャリアの原点は、純粋な「食」に対する興味と愛だ。前職の紅茶専門店ではEC担当として、企画からお客さま対応まですべてひとりでこなし、ECの基礎と一度に多くの人に商品を届けられるインパクトの大きさに魅了された。
「食べることが好きで、特に野菜やフルーツが大好き。自信を持ってお客さまに勧められる商品を広めていきたいという思いが常に根底にあります」。
その思いを胸に、2022年にオイシックス・ラ・大地へ転職した。
生産者とお客さまをつなぐ「企画者」としての自覚
入社後、配属されたのは、Oisix会員が継続的に買い物を楽しめるようなECサイトの特集ページを企画するチーム。入社以来、クリスマスやバレンタインといった大型企画から、自身の好きなフルーツをテーマにした「いちごフェア」や「はちみつフェスティバル」まで、50本以上の企画を担当してきた。
特集企画は実施の2カ月ほど前から始動させ、商品部(MD)と販売商品を決定。新商品があれば撮影を行い、デザイナーとペアを組んでページデザインを詰めていく。その後、掲載順や販売数を決め、ページを公開。公開後も売れ行きを見ながら、1週間の掲載期間が終わるまで改善を続ける。
多くの部署と連携するハブとして、スケジュール管理能力や周りを巻き込む力が求められる仕事だ。野﨑さんは印象深い経験として、いちごフェアの特集にあたり、生産農家に取材に訪れた時のことを挙げる。
「クリスマス」や「はちみつフェスティバル」など、野﨑さんがこれまでに手掛けた特集。
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