可愛いだけじゃない! デビュー10年目「キウイブラザーズ」が愛され続ける理由

本記事は月刊『販促会議』10月号「愛されて、売上に貢献する 企業キャラクターの力」特集に掲載されている記事の転載です。記事の全文や他事例は誌面でご覧いただけます。

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グリーンとゴールド、それぞれのキウイフルーツをモチーフにした「キウイブラザーズ」は、2016年にゼスプリ インターナショナル ジャパンが開発した自社キャラクターだ。ユニークなビジュアルと共に登場したこのキャラクターは、単なる販促マスコットにとどまらず、ブランドの長期的な資産として今や世界中で活用される存在となっている。

2016年に誕生した2人組のキャラクター「キウイブラザーズ」。グリーンとゴールド、色の異なるキウイフルーツをモチーフにしたこの兄弟は、ゼスプリ インターナショナル ジャパンが生み出した企業キャラクターだ。

誕生からわずか数年で、日本国内はもちろん、世界中で展開されるゼスプリブランドの “顔” へと成長した。その背景には、当時ブランドが直面していた課題と、それを乗り越えるための戦略的な意思決定があった、と同社のマーケティング本部長渋佐奈甫美氏は話す。

「ゼスプリでは長年にわたり、CMにタレントを起用してきました。しかし、消費者の印象に残っていたのは出演タレントが中心で、キウイフルーツ本来のおいしさや栄養価まではあまり伝わっていないという課題がありました」(渋佐氏)。

実際、2015年に実施したブランド調査では、CMの効果によってブランドの知名度は高まっていたものの、キウイに対する印象や理解には依然として課題が残っていることが明らかになったという。

「このまま単発的なプロモーションを続けていても、ブランドとしての価値は積み上がっていかないと判断しました。もっとキウイフルーツそのものを “主役” として打ち出すことができ、消費者の記憶にしっかりと残るようなアプローチが必要だと考えたのです」(渋佐氏)。

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「誰からも愛される」ための“普遍性”と“共感設計”

そこで同社が考えたのが、タレントに由来しないブランド資産を開発すること。そのために、コミュニケーションのデバイスとして新しいキャラクターを考案することだった。

目指したのは、単なる「流行りのキャラクター」ではなく、時代に左右されないシンプルで普遍的なデザインと、大人から子どもまで親しまれる存在感だ。

「当時は “ゆるキャラ” が人気を集めていた時期でもありましたが、私たちはそのブームに乗るのではなく、長く愛されるキャラクターを育てていきたいと考えました。そのため、時代を感じさせないシンプルなデフォルメで、子どもだけでなく、大人にも愛される普遍的な図案やキャラクター設定を心がけました」(渋佐氏)。

テレビCMの初登場は2016年。現在のテレビCMシリーズには、「栄養バランスの大切さに気づいた猫ちゃん」も新たに登場。健康的な食生活を始めてみたものの思うようにいかず悩んでいる猫ちゃんを、キウイブラザーズやフルーツ、野菜たちが応援するというストーリー。

そこでキャラクターの設計には、果物としてのキウイの個性も反映。外皮は茶色いキウイだが、切ってみれば中は鮮やかな緑や黄色。だからこそ、キャラクターも断面の美しさが印象に残るビジュアルを意識した。

「見た目は地味でも、中には栄養がたっぷり詰まっていて、何より鮮やかで美しい。そんなキウイの魅力を象徴するキャラクターにしたいと考えました」(渋佐氏)。

さらに意識したのは、……

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