「大切なことは一貫した世界観」国内外に日本の魅力的な体験を届けるJ-CAT

生活者の意識・行動の変化が激しい時代。生活者の支持を得るブランドになるためには市場の動向に合わせてスピーディーな意思決定も必要です。こうした市場で顧客を増やし成長を遂げるスタートアップ企業では、どのようなマーケティング戦略が企画され、また実行されているのでしょうか。新興企業の戦略から新しいマーケティングの方法論を導き出します。
※本記事は月刊『宣伝会議』10月号の連載「スタートアップ企業のマーケティング戦略」に掲載されています。
J-CAT
設立年 2019年11月
従業員数 約100名(うち社員は約40名)
事業概要 ハイエンド向け観光体験予約サービス「Otonami / Wabunka」の企画・開発・運営、法人・団体向けカスタマイズ型イベントの企画・運営、行政・法人向け地域資源活用型コンサルティング

きっかけは書道家の母の姿「日本文化を支える人」を支援

日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2025年5月の訪日外国人は約369万人で前年同月比21.5%増と、インバウンド需要の拡大が続いている。

インバウンドによる“爆買い”の経済効果も注目されるが、外国人観光客の日本への期待は「モノ消費」から「コト消費」へと変化し、体験に重きを置く観光客が増えている。体験を重視する機運は、日本の消費者も同様だ。そんなニーズの高まりを受け、日本文化に着目し、国内外に向けて日本食や伝統工芸などの体験機会を提供しているのがJ-CATだ。

写真 「Otonami」初の実店舗

大丸東京店にオープンした「Otonami」初の実店舗「Otonami Lounge Tokyo」。

J-CAT創業の原点には、代表取締役・飯倉竜氏の原体験がある。書道家である母は、「書道を広めたい」と書道教室などを行っていたが、Webサイトでの集客などデジタル活用に苦労していた。その姿を間近で見てきた飯倉氏。「母のように日本文化を支える芸術家や職人たちをテクノロジーで支援したい」「そして日本文化の魅力を国内外に発信したい」という強い思いから、創業を決意した。

…この続きは9月1日発売の月刊『宣伝会議』10月号で読むことができます。

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