100周年の「キユーピー マヨネーズ」は、どのように若年層との新たな接点をつくったのか?

2025年、発売100周年を迎えたキユーピーの「キユーピーマヨネーズ」。スローガンを「still in progress.キユーピーマヨネーズ100年。そして、時間は止まらない。」とし、各種キャンペーンやイベントを実施している。ロングセラーブランドにおけるブランディングや周年企画の実施について、キユーピーマーケティング統括の森田泰全氏に話を聞いた。
※本記事は月刊『宣伝会議』10月号の巻頭特集「ブランドマーケターに聞く 注力の施策・注目の手法」の転載記事です。

“次の100年”への意思表明

2025年、「キユーピーマヨネーズ」は発売から100周年を迎えた。

卵黄タイプのマヨネーズを日本で初めて製造・販売したのは、同社の創始者・中島董一郎氏。アメリカ留学中に出会ったマヨネーズの栄養価とおいしさに感銘を受け、1925年、日本人の体格向上や健康に貢献したいとの思いから、自ら商品化したのが始まりだ。

この100年で同社は、酸素との戦いともいえる容器や製法の進化、使用シーンの提案、若年層との接点拡大など、時代ごとの課題や生活者の変化に向き合い続けてきた。今や国内のみならず、世界79の国と地域へ展開。2024年度のマヨネーズ類の売上は、国内・海外あわせて1071億円にのぼる。

節目となる100周年に際し、キユーピーはスローガン「still in progress.キユーピーマヨネーズ100年。そして、時間は止まらない。」を掲げ、進化の歩みを止めない姿勢を鮮明にした。同社がこれからの100年も歩み続けていくため、特に強化をしていきたいと考えているのは、新規ファンの中でも若年層の取り込みと、グローバルへの展開の拡大だ。

そこで、約3年前から準備を進めてきた本プロジェクトでは、社内横断で構成された約20人のメンバーが中心となり、「ロイヤルユーザーへの感謝」「新規ファンづくり」「グローバルブランディングの強化」「社会課題への貢献」という4つの軸でさまざまな施策を展開している。

例えば、ロイヤルユーザーに向けては、100周年の歩みとこれからの進化を伝えるテレビCMや新聞広告、数量限定の企画商品の展開に加え、スペイン旅行や限定グッズが当たるキャンペーンを実施。

また、公式会員制コミュニティである「キユーピーマヨネーズファンクラブ」も2025年8月1日にリニューアルし、より開かれた参加設計とするなど、ブランドと生活者のつながりの再構築を目指した。

写真 CM カット

CM「そして、時間は止まらない」篇(上)。若年層との接点強化のため、渋谷をジャックした「マヨ渋」(下)。7月14日から8月13日の期間中、渋谷駅を拠点とし若者に人気の高い飲食店28店舗で「キユーピーマヨネーズ」を使ったオリジナルのマヨ渋メニューを提供するなどした。

一方で、新規ファンの中でも若年層に向けた取り組みとしては、全国7カ所で世界各国のマヨネーズを使った料理を提供するキッチンカーイベント「World Mayo Kitchen」や、渋谷エリアの飲食店でキユーピーマヨネーズを使った特別メニューを提供し、そのうち3日間限定でポップアップイベントも実施するなどした「マヨ渋」を展開。ポップアップイベントでは、3日間で約6400人の来場者数を記録するなど、大きな反響を呼んだ。

キユーピーマーケティング統括の森田泰全氏は、「若年層にアプローチするために、90周年のタイミングでデジタル施策を強化しました。そこから今回は、デジタル活用だけではなくリアルな体験と組み合わせて、実際においしいと感じてもらえるためにどんな工夫ができるかを考えました…

…この続きは9月1日発売の月刊『宣伝会議』10月号で読むことができます。

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