有報の人的資本開示は充実化するも、踏み込んだ記載が課題 デロイト トーマツ グループ調べ

デロイト トーマツ グループは9月19日、「有価証券報告書における開示実態調査2025」の調査結果を公表した。価値創造ストーリー構築を意識した人的資本開示が進展した半面、「経営戦略で掲げる『財務価値』を意識した開示が次の課題」との結果だった。

戦略と指標・目標を調査

持続的な企業価値向上に向けたTOPIX100構成銘柄企業の最新の取り組み状況を、有価証券報告書を用いて人的資本及び役員報酬の観点から調査した。「現在の日本企業の立ち位置を把握するとともに、今後の取り組みに向けた洞察をまとめる」ことが目的だ。調査対象企業は、2025年3月31日時点のTOPIX100構成銘柄のうち、同年6月30日までに直近決算期の有価証券報告書を開示した99社。

「人的資本開示調査」では、「サステナビリティに関する考え方及び取組」にて開示される人的資本に関する戦略及び指標・目標の開示状況・内容を調査。また、「役員報酬実態調査」では「役員の報酬等」にて開示される役員の報酬制度、構成、業績評価指標等を調査した。

2つの観点で分析

人的資本については、人的資本を起点にした企業の価値創造ストーリー構築の取り組みが、どの程度実施されているか明らかにするため、価値創造ストーリーの具体化に必要な「経営戦略と人材戦略の連動」「人事施策と指標・目標との連動」の観点から開示内容を分析した。

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