“ありがとう”が売上をつくる? ウェルビーイング発・新しい販促のカタチ

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前野隆司氏

武蔵野大学
ウェルビーイング学部
ウェルビーイング学科
教授

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小池末由子氏

スコープ
経営企画本部

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中村佳央氏

生活の木
マーケティング本部
デピュティ
ゼネラルマネージャー

ウェルビーイングという言葉は耳にする機会が増えたものの、具体的に企業活動にどう結びつくのかはまだ手探りの部分が多い。今回の座談会では、ウェルビーイング研究の第一人者・前野隆司教授、アロマやハーブを通じて“良い状態”を届ける生活の木の中村佳央氏、そして販促支援を行うスコープの小池末由子氏の3名が集い、「感謝」を起点とした販促の可能性を語り合った。幸福学の知見、現場での接客事例、そして販促支援の視点が交差した議論から見えてきたのは、感謝が社員や顧客、取引先に広がり、ローコストで持続的な販促の成果をもたらす力だった。

【編集協力:スコープ】

ウェルビーイングを重視する理由“良い状態”が生むメリットとは

─ウェルビーイングは定義が曖昧な印象です。「感謝起点の販促」というテーマで話を進めるにあたり、それぞれウェルビーイングをどのように捉えているかを教えてください。前野

:学術的な観点だと、ウェルビーイングは“良好な状態”のこと。体の健康、心の幸福、社会的なつながりや福祉の3つが揃った状態を指します。ふわっとした印象を与えるかもしれませんが、研究分野としては極めて明確に定義されているのです。

─生活の木では、前野先生の言う、生活者の“良好な状態”をつくるアロマグッズやハーブティーなどの商品を扱っています。企業としてもウェルビーイングを大切にしている印象です。中村

:生活の木で扱う商品は、生活者の健やかさと心地よさをサポートするものです。プロダクトの特性も、ユーザーのウェルビーイングを支えるものですし、そのような商品を販売しているからこそ、ウェルビーイングの考え方は大切にしています。私たちは“お客さま”“原料を育てる農家や生産者の方”“従業員”の三方が健やかであることをウェルビーイングと捉えていますね。お客さまに心身の健康を届けるには、まず社員自身が元気でなければなりません。そして原料をつくる農家の方々も安定した生活と健康があってこそ持続的な取引ができる。三方よしの循環があって初めて『ウェルビーイングなライフスタイル』を生み出すと思っています。

─スコープでも、ウェルビーイングを販促支援の重要キーワードに設定したと聞いています。小池

:スコープでは、新たに掲げた重要取り組み事項の1つにウェルビーイングを据えました。販促は人と人とのつながりやコミュニケーションの中で行われるもの。そう考えると、今回のテーマになっている「感謝」も販促の一部として捉えることができるのではないかと思っていますね。

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