ライオンズは2025シーズン、173万人を動員。12球団で最も高い前年比伸長率に(提供:西武ライオンズ)。
こんにちは。西武ライオンズ広報部長の赤坂修平です。
2025シーズンの埼玉西武ライオンズは5位という結果に終わりました。しかし、ベルーナドームには昨年を大きく上回る熱気と笑顔が広がり、観客動員数は173万人──12球団で最も高い前年比伸長率を記録しました。裏返して言えば昨年はそれだけ空席があったということになりますが、ポジティブにとらえていきたいと思っています。
私は、この数字を“成果”としてではなく、ここ3年間で積み重ねてきた改革の“過程の証拠”だと捉えています。勝敗だけに左右されず、広報・コミュニケーション・マーケティングの思考でファンの心を動かし、事業としての変化をつくれるという自信が、確信へと変わった一年でした。
最終回となる今回は「広報の再定義」「視座=人財育成」「ファンとの共創」、そして今年考え続けた「ライオンズらしさ」という問いを軸に、この3年間で取り組んできた“広報変革”の集大成として見えてきたものをお伝えしたいと思います。
【広報の再定義】受動的な役割から、価値を創造する部署へ
私が広報部長に着任当初、広報部は“マスコミ対応の部署”という位置づけに留まっていました。誤解を恐れずに言えば、受動的。全体のコミュニケーションの流れをつくるというより、来た球を返す仕事になっていたのです。コミュニケーションの機能は他部署に散在し、言葉では「連携」と言いながらも、全体最適から見ると十分とは言い難い状況でした。
