人より抜けた結果を出したい。
社会から、もっと必要とされる自分になりたい。
でも、やりたいことがわからない。
自分は、いったい何をすればいいのだろうか? 何をするために生まれてきたのか?
自分に何が向いているのだろうか?
わからないけど、ここではない、いまの自分ではいけないような気がする……。
現代人が、1日に受け取る情報量は江戸時代の一年分に当たるらしい。いや平安時代の一生分とも言われている。どっちだいったい。
ともあれ、毎日イヤというほど、多くの情報に触れている。ぼくらはみんな、耳年増どころかあらゆる場所から情報が入ってくる「情報年増」になっているのだ。
総務省が発表しているデータによると、2002年のインターネット全体の情報量と比較すると、2020年にはなんと約6000倍になっている。
もう何年も言われている気がするが、情報大爆発なのである。
さらに、2022年に開発されたChatGPTを皮切りに、コンピュータは「きちんとプログラミングしないと正しく動作せず、返答が返ってこない子」から、「なんか適当に聞いたら勝手に学習して返してくれる子」へと変貌を遂げた。
ぼくらが人生で成し遂げたいことなんか考えている間に、もう人類がやるべきことなんてどんどんAIに取って代わられ、失われていくんではないか?
米IT企業では、それまで高所得の花形であったエンジニアですらも、生成AIの影響により大量解雇になっている。もう人間なんか、一生ゆりかごでお菓子食べて寝てれば勝手に進化が進むんじゃないか? 何もしなくていいんじゃ?
そんな「シンギュラリティ鬱」が加速している。
現代は「VUCA(ブーカ)」の時代と言われている。もともとは軍事用語で、「それまでの作戦が通用しなくなったよ」という意味である。転じて、ビジネスや社会の変化が著しく、将来の予測が困難だという意味になった。
要は「ただよい大学を出ていればよいとは言えない」「上場会社に勤めれば安泰とは限らない」「社会の変化に柔軟に対応しなくちゃいけない」などという意味だ。
ではどうするか。
どのように、人生やキャリアの戦略を立てるとよいのか?
この本では、多くのキャリア本が語るキャリア戦略や戦術をあえて排して、
「あまり考えずにすぐ動く。やりながら帳尻合わせすればよい」という、一見アタマの悪そうなメソッドを提唱したい。
この、計画しない人がうまくいくというキャリア術を論じるのが、この本の趣旨である。
ぼくは、自分のキャリアというものを考えず生きてきた人間だ。
