110回目の節目を迎えた高校相撲金沢大会、競技の緊張感と儚さを捉えたグラフィックを展開

5月24日に、石川県金沢市・石川県卯辰山相撲場で第110回高校相撲金沢大会(北國新聞社など主催)が開催された。石川勢11校を含む全国63校が参加した本大会。その日の朝、地元の北國新聞には、こんな広告が掲載された。

写真 北國新聞に掲載された広告

北國新聞に掲載された広告

110回目を迎えた本大会だが、昨今、参加校が年々減少している。そこで今回、クリエイティブチームが目指したのは、伝統や迫力といったこれまで相撲が語られてきた文脈以外で、改めて競技としての魅力を捉え直すということだった。

「事前に選手たちのインタビューや記事を読む中でわかったのは、競技時間の短さとは対照的に、練習や食生活など多くの時間を競技に費やしていること。試合は、時間にすればほんの数秒。そこにかけてきたすべての時間が圧縮された、競技の緊張感と儚さみたいなものを捉えようと試行錯誤しました」(クリエイティブディレクター 姉川伊織氏)

「ONE MOMENT. EVERYTHING.」と書かれたキーコピーと共に展開されたのは、真っ白な土俵とそこで組み合う2人の力士。ビジュアルでは、勝負の明暗を分ける土俵を、白星そのものに見立てた。

「勝負の行方に応じて見え方が揺らぐ白い土俵と、周囲を大きく包む黒い背景。シャープなコントラストによって、勝負の行方が一瞬で傾く緊張感を表現しています。
相撲の迫力を肉体の量感で語るのではなく、積み上げてきたものすべてが数秒に凝縮される瞬間を写したいと考えました。光の輪郭、影の量、余白の取り方まで細かく調整しながら、相撲の瞬間性と品格が同時に感じられる表現を目指しました」(アートディレクター 米谷颯太氏)

写真 北國新聞に掲載された広告

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写真 会場で展開されたポスター

写真 会場で展開されたポスター

写真 会場で展開されたポスター

会場で展開されたポスター

真っ白な土俵の淵には、「この地球で、今、二人が同時に勇気を出した。」というコピーが添えられている。このコピーについて、コピーライター佐藤一貴氏は次のように話す。
「当日の会場で掲出される、ということを強く意識して書いています。試合前に選手たちが見てくれるものだから、なるべく背中を押してあげたい。だけれども、今日までの努力を肯定し『これだけやってきたから大丈夫!』と伝えるだけでは観客たちの期待感や熱量をあげるところまでは達しない。数秒に凝縮される緊張感と儚さを感じさせることで競技の魅力を伝えながら、選手に勇気を与えられる語り口を探しました」

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