小田急電鉄が「カスタマーハラスメント」などへの対策として、4月に小田急線全70駅で駅係員用のウェアラブルカメラを導入してから約1カ月が経過した。足元1カ月の第三者行為発生件数は0件だったが、同社担当者はカメラ導入との「直接の因果関係は不明」としている。
一方で、駅係員からは「心理的負担の軽減」や「安心感の向上」につながっているとの声が多く上がっているという。カスハラ抑止効果を数字だけで判断することは難しいが、トラブル対応にあたる駅係員を支える仕組みとしては、一定の効果が見え始めている。
試行時の装着写真
小田急電鉄は、カスタマーハラスメントや駅構内トラブルの発生時に現場状況を記録し、事実に基づいた判断や対応につなげる目的で、駅係員が胸部に装着するウェアラブルカメラを導入した。
本格導入に先立ち、2025年8月に世田谷代田駅で試行を実施し、2026年3月にも再試行を行った。試行に参加した駅係員からは、着用前よりも安心して業務にあたることができたという声があったという。
同社は本運用に向け、操作性や装着感についても駅係員から意見を聴取した。現場で使う機器である以上、録画機能だけでなく、駅係員が業務中に無理なく扱えるかどうかも選定時の判断材料になった。
正式導入から約1カ月が経過した現在、駅係員からの反応について「駅係員によって感じ方は違いますが、おおむね『心理的負担軽減』と『安心感の向上』にはつながっているとの意見が多くありました」と説明する。
また、同社は、本施策について駅係員の安全確保だけでなく、利用者の安全・安心の向上も目的としている。カスタマーハラスメントが発生すると、周囲の利用者へのサービス提供に支障が生じるケースもあるため、そうした事態を防ぐ観点からも導入した。
