約3万円の“超高級品”に予約殺到!? “安さが売り”のワークマンで起きた異変、「半導体冷房服」が切り開く“着込む暑さ対策”の新市場

冷却プレートで体を直接冷やす、ワークマンの「ペルチェ半導体冷房服」に注目が集まっている。3月に出展した東京モーターサイクルショーでは、ライダー向けに3日間の予約だけで1億1000万円を販売した。作業者向けの暑さ対策としてだけでなく、通勤、通学、スポーツ観戦など、一般生活者向けの市場にも広がり始めている。

「ペルチェ半導体冷房服」を着用した松重尚志チーフ。左はサーモグラフィ画像

「ペルチェ半導体冷房服」を着用した松重尚志チーフ。左はサーモグラフィ画像

同商品は1万9800円、2万9800円と、ワークマンの商品としては高価格帯にあたる。それでも同社は2026年、前年の2.5倍となる25万点、50億円分を用意した。5000円以下の商品が多いワークマンで、なぜ2万〜3万円台の冷房服が売れるのか。広報部の松重尚志チーフに価格のハードルを超える魅力を聞いた。

ペルチェ半導体冷房服は、冷却プレートを体に密着させて直接冷やすウェアだ。ワークマンでは、5カ所または7カ所にペルチェデバイスを搭載したモデルを展開している。環境温度差で最大約-30℃、約1秒での瞬間冷却をうたう。

同社では、ペルチェ半導体冷房服を約4年前から販売しており、現在は7代目にあたる。ここにきて注目が高まっている背景には、猛暑の深刻化に加え、保冷剤入りベストや冷感ウェアなど、風で涼むだけでなく「体を直接冷やす」暑さ対策への関心が高まっていることがある。

保冷剤入りベストは、時間がたつと保冷剤がぬるくなりやすい。一方、ペルチェ半導体冷房服はモバイルバッテリーで稼働するため、バッテリーを交換したり、現場で充電したりすることで冷却を続けられる。稼働時間はモードや製品によって異なるが、3〜4時間程度。7個式モデルにはバッテリーが2個付属し、長時間使いたい場合は別売りの専用バッテリーも活用できる。

「ペルチェ半導体冷房服」の上に重ね着することを提案

「ペルチェ半導体冷房服」の上に重ね着することを提案

同社は、風を取り込んで涼しさを生むファン付きウェアも展開している。ただ、気温が体温を超えるような環境では、取り込む風そのものが熱くなり、冷却効果を得にくい場合がある。ワークマンは、35℃程度まではファン付きウェアが有効である一方、体温を超える暑さでは、体を直接冷やす仕組みが必要になると見ている。

次のページ
1 2 3
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事