「ギルティ炭酸 NOPE」の勢いが続く中、サントリービバレッジ&フードは次の一手として、新たな“濃い”炭酸飲料「のどごしサイダー」を発売した。3月に発売した「ギルティ炭酸 NOPE」は、印象的なパッケージやPR展開で話題を集め、発売50日で5500万本を出荷。炭酸飲料が持つ「ストレス発散」という価値を示した。「のどごしサイダー」も、従来のサイダーより「濃さ」と「飲みごたえ」を意識した商品だ。
6月30日にXの「NOPE」公式アカウントが投稿した画像
6月30日に販売開始した「のどごしサイダー」は、透明炭酸カテゴリーの新商品。600mlペットボトルで、希望小売価格は200円(税別)。従来のサイダーに多い爽やかさやすっきりした飲み口に加え、「より濃く、しっかりした飲みごたえ」を求めるニーズに着目した。
パッケージは、「のどごしサイダー」の文字を中心に据え、勢いのあるデザインと虹色モチーフで「濃さ」と「刺激」を表現した。青を基調とした配色でサイダーらしい爽やかさを持たせつつ、味わいの濃さと飲みごたえが伝わるデザインに仕上げた。
Xでは発売直後から反応が出ており、味については「濃い」「甘い」といった声が見られ、サントリーが打ち出す「濃いサイダー」という特徴が伝わっていると考えられる。一方で、NOPEと同様に好みは分かれ、「甘い!カロリー高い!身体に悪い!」といった感想も見られる。
サントリーが「ストレス発散」に着目するワケ
「ギルティ炭酸 NOPE」
近年の炭酸市場では、若年層の流入が明確に落ちているという。市場全体だけでなく、同社の既存炭酸ブランドでも購買層の年齢が上がっている。こうした状況を受け、同社は若者の炭酸飲料市場を開拓するため、「ストレス発散」という価値に着目。同社の調査では、若年層が炭酸飲料を飲む動機として「ストレス解消」が大きいことが分かっているという。
若年層の流入が落ちている背景には飲用シーンの変化もあるとみられる。サントリーは、若者のストレス発散が飲み会やカラオケのような外向きのものから、1人でだらだらと好きなことをして過ごす形に変わっていると捉え、炭酸飲料の新たな価値として「ストレス発散」に着目した。
そうした中で投入したのが、10〜30代の若年層を主なターゲットにした「NOPE」だった。普段は健康を意識しつつも、時には「ご褒美」や「チートデー」として好きなものを消費する「ギルティ消費」を意識。濃い甘さを徹底し、糖度は一般的な炭酸飲料より高い13.3とした。
「NOPE」はその甘さから、SNSで「体に悪そう」といった声も見られた。一方で、酒と割るなどさまざまな飲み方が投稿されたほか、CMを使った大喜利でも話題化。実績面でも、発売50日で5500万本を出荷し、サントリーの炭酸飲料では令和史上最速を記録した。スーパー・専門量販における週販でも、発売後4週連続で炭酸カテゴリー内売上1位となるなど、大きな成果を収めた。
「のどごしサイダー」は、透明炭酸カテゴリーの飲用頻度が高い30〜50代の男女をターゲットに据える。NOPEとは対象層が異なるが、同社の担当者は「濃い味わいでストレス発散を提供するという価値は共通しており、方向性の親和性は高い」と説明する。NOPE人気を引き継ぐ狙いではなく、「ストレス発散」という飲用ニーズを広げる一手と位置づける。


