昨年度に引き続き、今年度も9月から「クリエイティブディレクション講座 藤平達之クラス」を開講させていただくことになりました。
個性を磨くクラスというよりは、いわば「基礎練」をするクラスです。広告会社のクリエイターでなくても実務に活用できる「クリエイティブな思考法の基本的な土台」を中心に扱います。
構成はほぼ昨年度と同様で、コンセプトやディレクションの中心を定める「定義」、それを表現や体験にする「実装」、そして創造的に仕事を進めるための「姿勢」の3部(全8コマ)になっています。
という “番宣” を背景に、今回は、「生成AI」の進化・浸透で、定義・実装・姿勢のあり方(=働き方)がどう変わったかを、生成AIを “中くらい” 使っている自分の実体験から考えてみたいと思います。初回は、コンセプトやディレクションの「定義」における変化についてです。
AIは定義の初期装備だが「免罪符」にしてはいけない
「生成AIのおかげで作業時間が半減しました!その時間を価値創造に使えています!」という模範解答には全く至っていませんが、この1年でAIは、コンセプトやディレクションを定義する初期の必須装備になりました。
特に、Deep Research(高度なリサーチ機能)は便利で、視点や要件を共通プロンプトやエージェントに読み込ませておけば、クリエイティブディレクションの初動がグッと速まります。これはもう大感謝です。
さて、先日、ある経営者の方が、「最近、チャットツールでの社内外とのコミュニケーション量が爆増しているんです」と言っていました。アジャイルが求められる時代にいい話だなと聞いていましたが、続いたのは「増えている分の多くが『生成AIの見解のコピペ』の送り合いだったんです」という言葉。
確かに、打ち合わせでも、生成AIがアウトプットした、いわば “ローデータ” のみを見る機会が増えた気がします。また、「AIをそのまま出すのはな⋯」と思っている人が、AIと言わずにしれっと出すようなことも増えていそうです。
恩恵以上に、「AIの伝書鳩になる危険」「AIを免罪符に思考停止する危険」に自覚的にならないといけないと思ったのも、ここ1年のことでした。
気を抜くと自分も、コンセプトなどを定義しようとする際に、AIを「正」として進めてしまうことがあります。“クリエイティブ” ディレクションを目指すならよくないな、と反省します。
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