【定義編】2025年と2026年でクリエイティブディレクションはどう変わったか

「森」を見て「木」を見ずになる危険性

写真 講座内容

生成AIのアウトプットは、美しく要約・圧縮されています。先ほどのDeep Researchもそうですが、おかげで、我々は「森」を見渡しやすくなりました

一方で、「木」はどうでしょうか。「木を見て森を見ず」は、目の前を見過ぎて全体像や大局を見失うことの例えですが、いま起きているのはその逆の事象な気がします。

あるプロジェクトで、経営層や有識者にヒアリングをしました。数十名に行ったため、発言録は100ページを超え、次のブランド戦略を定義するための金言に富むものでした。しかし、AIに議事録・サマリーを作ってもらうと、聞いていたときのワクワクは薄れ、“経営層がいかにも言いそうな美辞麗句” ばかりになっていたのです。

正解がないものを定義するときに、AIに頼りすぎる危うさを身をもって感じた瞬間でした。そして思い返すとこれは、抽象的なパーパスに感じる物足りなさと似たものでした。

「汗をかけ」「足で稼げ」とスポ根を説きたいわけではないのですが、少なくとも私は、ブランド戦略やコンセプトの定義において、これまで以上に「生声」を大切にするようになっています。

定義するプロセスを、AIを使わず進めるのは丸腰すぎます。しかし「要約された森」からつくるコンセプトやディレクションは、生活者を動かすものには、おそらくまだなりにくいです。

生活者から、街から、空気から、「キラリと光る木」を自らで発見する力は、この先の必須能力になる気がします。

「主観」に資する「客観」であれ

写真 講座内容

「正しいけど面白くない定義」はいい定義ではないので(自戒)、最後はそれを担う人間の主観的仕上げが大切になります。

こうなったらいいなという願望、適切な温度感の設計、ちょっとした遊びやズラし、生声の組み合わせ方など。それらは、個々人の感性や経験に裏打ちされるもので、一朝一夕に身につくわけではありません。

ただし、生声などの一次情報から「キラリと光る木」を見つけ、AIなどの “巨人の肩” に乗りながら、森を見渡して磨き込んでいくプロセスは、一定の再現性やコツがあると思います。講座の「定義」パートでお伝えするのは、その方法論です。

AI任せでいいやと割り切るにはちょっともったいないくらい面白いのが、定義のフェーズ。そんな面白さを、少しでも共有できればと思っています。ということで、定義編はここまで。お読みいただいた方、ありがとうございました!

講座の開始に先駆けて、8月27日(木)に無料体験講座をオンライン配信します。ご希望の方は、ぜひこちらから参加申し込みをお願いします。

クリエイティブディレクション講座 藤平達之クラス 概要

バナー

開講日 2026年9月24日(木)19:00~21:00
講義回数 全8回
開催形式 教室(表参道)開催
ボタン

avatar

藤平 達之

博報堂/SIX
クリエイティブディレクター/ストラテジスト

1991年生まれ。一橋大学卒業後、2013年博報堂入社。クリエイティブブティック・SIX、官民共創クリエイティブスタジオ・Vegaにも所属。「愛される/尊敬されるブランドを社会に増やす」という目標を持ち、パーパスと生活者発想の両視点から設計したコンセプトを、広告/コミュニケーションに留まらず、サービス/プロダクト、コンテンツやインナー活性化プログラムなど、さまざまな手法で体験にする。これまでに「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS 総務大臣賞/グランプリ」などを受賞。ad:tech tokyoなど登壇の実績も多く、自著に『クリエイティブなマーケティング』(現代書林)がある。 好きなものは、串揚げとジンとクッキー缶。

advertimes_endmark

1 2
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事