物価高で消費者の生活防衛意識が高まっている。野村総合研究所(NRI)が8月20日に公表した調査によると、生活者が許容できる値上げ幅で最も多かったのは「5~10%未満」の50.7%だった。10%を超える値上げまで許容する人は32.6%にとどまり、NRIは10%が値上げを受け入れられるかどうかの境目になると分析している。
一方、食品の値上げは続いている。帝国データバンクが7月31日に公表した調査によると、2026年8月に値上げされる飲食料品は2311品目。前年同月の1262品目から8割増え、値上げ1回当たりの平均値上げ率は15%に達した。9月には4531品目の値上げが予定されている。
NRIの調査は2026年7月、関東1都6県に住む満15~69歳の男女2988人を対象に実施した。帝国データバンクの平均値上げ率は、各社発表時の最大値を採用し、内容量減による実質値上げも含む。両調査は対象も算出方法も異なるため、数値を単純比較することはできない。食品メーカーの値上げ率が平均15%となる一方、生活者側では10%が許容の分かれ目になっている。
生活者の「許容ライン」と食品の平均値上げ率
NRI調査で値上げを受け入れる層が大きく減る境目とされた10%と、帝国データバンクが集計した2026年8月の値上げ1回当たりの平均値上げ率15%。対象と算出方法が異なるため、単純比較はできない。(野村総合研究所『食料品の値上げに対する生活者の意識と行動』[2026年8月20日公表]、帝国データバンク『「食品主要195社」価格改定動向調査―2026年8月』[2026年7月31日公表]を基に編集部作成)
4割が安い別メーカー商品へ
NRIの同調査で、普段購入している食料品が値上げされた場合の対応を尋ねたところ、41.7%が安価な別メーカー商品への乗り換えを選んだ。
同じ商品の大容量パックを選ぶ人は29.2%、値上げ後も同じ商品を買い続ける人は22.1%だった。その食品自体の購入を控える・やめる人は7.0%となった。
この結果から、値上げ時には別ブランドへの乗り換えや買い方の変更、購入中止を選ぶ人が一定数いることが分かる。特に20代では、その食品自体の購入を控える・やめる割合が高い。男性20代は13.1%、女性20代は13.3%で、全体の7.0%を大幅に上回った。
値上げ時、41.7%が安い別メーカー商品へ
普段購入している食料品が値上げされた場合の対応。41.7%が、安価な別メーカー商品への乗り換えを選んだ。(野村総合研究所『食料品の値上げに対する生活者の意識と行動』[関東1都6県の満15~69歳、2026年7月、n=2,988]を基に編集部作成)

