東京・原宿にあるThe Mass で、9月5日より写真家ヴィヴィアン・サッセン(Viviane Sassen)の個展「Myriads」が始まる。
サッセンは、1972 年オランダ・アムステルダム生まれ、同地在住の写真家。幼少期をアフリカで過ごした経験から得た色彩感覚を作品の源泉とし、静物、ポートレート、風景など幅広い被写体を通じて、幾何学的な形態や身体表現の抽象化を特徴とする独自の視覚言語を確立してきた。
代表的な写真集には、自身のルーツであるケニアを撮影した『Flamboya』(2008年)、光と影をテーマにした『Umbra』(2014年)、女性のエネルギーに焦点を当てた『Of Mud and Lotus』(2017年)などがある。また、ミュウミュウ、ルイ・ヴィトン、ディオール、ミッソーニ、ステラ・マッカートニーなど、世界的なラグジュアリーブランドのキャンペーンや、『VOGUE』『Purple』『Dazed & Confused』といった雑誌の撮影も数多く手がけている。
2011年にはニューヨーク近代美術館(MoMA)の「New Photography」展に参加、2013 年には第55回ヴェネツィア・ビエンナーレ「The Encyclopedic Palace」に出展。2023年にはヨーロッパ写真美術館(MEP、パリ)で大規模な回顧展を開催し、2024年には日本でもKYOTOGRAPHIE にて大規模個展を開催している。
また、日本では東京2020大会のアイコニックポスターに参加しており、2014~2015年にはパルコのシーズンキャンペーンを担当。さらに2019年にも同シーズン広告と新生渋谷パルコのオープン広告をM/M PARISと手がけている。
「Myriads (無数)」という本展のタイトルについて、サッセンは次のように話している。
「単純にこの言葉の響きが好きなんです……どこか古代的で、優雅な感じがして。それに、万華鏡のような、無数の可能性を示す言葉としても気に入っています。場所、顔、生きているもの、そして塵——写真がもたらす、尽きることのない可能性を表しているんです」。
本展では、日本初公開となる未発表作品に加え、長期にわたって継続的に制作されているシリーズ「Frau Holle」も紹介する。単なる回顧的な展示ではなく、現在も進行中の探求の一端を提示する構成になっている。
サッセンの写真において、ファッションとアートは対立するものではなく、地続きの表現。商業写真の現場で培った色彩感覚や構図の緊張感を作品に持ち込み、逆にアートとしての視点をクライアントワークに反映させる——本展では、そんなサッセンならではの視覚言語を楽しむことができるだろう。
ヴィヴィアン・サッセン 個展「Myriads」
| 会期 | 9 月 5 日(土)〜11 月 8 日(日) |
| 会場 | The Mass |
| 時間 | 12:00 – 19:00 |
| 定休日 | 月曜日、 火曜日 |



