あの「学研の学習」が帰ってきた 復刊第1号の「はにわ」で16年ぶりに復刊したワケ

ユニークな付録や図解で楽しめる誌面、幼い頃に読んだことがある人も多いであろうGakkenの雑誌『学研の学習』が2026年7月に、16年ぶりに復刊した。復刊第1号のテーマは「はにわ」。かつては多くの小学生が読んでいたが、少子化と時代の変化に伴って下火になった同社の児童向け雑誌。16年の月日を重ね、懐かしさではなく、新しさを求めて復刊した思いや舞台裏を聞いた。

学研の学習雑誌「科学」と「学習」は1946年に刊行された。子どもが組み立てたり、つくったりする付録が人気で、ピークの1979年には月販670万部を誇った。学校では学ばない内容もあるが、興味や体験など子どもに選択肢を与えたいという考えは各家庭で広がり、「考える教材」として広く受け入れられていた。

そんな人気雑誌も、少子化と時代の変化を受けてじわりと部数を減らしていった。1980年代に入ると、よりよい学校に、よりよい会社に、という風潮が強まった。勉強と違い、雑誌を読んだり付録をつくったりしても、翌日のテストでの点数アップにはつながらない。復刊を率いた学研の科学/学習 統括編集長の吉野敏弘氏は「すぐに結果が出ることを望まれたとき、Gakkenが満点の回答を出すのは難しい」と当時の苦境を察する。「いい大学に行ってほしいという親の希望は理解できる。その求めに対して学研の雑誌の精神が合わなくなっていったことは、部数を落とした理由のひとつ」と話す。少子化の波も加わり、『学研の科学』と『学研の学習』は静かに部数を減らし、2010年に休刊という苦渋の決断に至った。

復刊第一号と(右)休刊前の雑誌

復刊第一号と(右)休刊前の雑誌

いわゆる付録は社内で「原理教材」と呼ばれている。シンプルだが、何かの原理が含まれ、子どもの本質的な興味を引き出すもの、というのが根本にある。「おもしろいだけでなく、本質的、原理的なものを含むものであるということが、ぼくらがつくる付録の一番大事なところ」とこだわりを話す吉野氏。それだけに休刊という判断は悲しく、「いい本なんだ、いい付録なんだ、とずっと思っていたし、会社で特別な思いを持っている人はたくさんいた。そして、いずれ復活できるといいな、という思いがくすぶっていた」。

次のページ
1 2 3 4
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事