月間利用者数2000万人を超える料理レシピ投稿・検索サイト「クックパッド」を運営するクックパッドは、今年2月に同サイト上で近所のリアル店舗(スーパー)の特売情報と合わせたレシピ検索を可能にするサービスを開始。7月に登録ユーザーが50万人を突破し、情報を提供する店舗数も約9800店舗となり、現在も増え続けている。今回は、ネットの情報発信によって店頭の購入活動に大きな影響を及ぼしている新サービスを中心に、同サービスの仕掛人でもある同社 買物情報事業部部長 沖本裕一郎氏に話を伺った。
スマートフォン普及による主婦の食品買い物行動の変化

クックパッド 買物情報事業部 部長 沖本裕一郎氏
弊社が実施した買い物に関するアンケート調査では、「スマートフォンによって買い物の仕方が変化した」と答えたユーザーが全体の40%に及びました。さらに「買い物前」と「買い物中」のスマホの利用目的1位は「食材に関するレシピを見る」でした。今まで家電量販店で見られていた「買い物をしながらスマホを見る」ことが、徐々に食品スーパーのような日常商品の領域で起きていることがみてとれます。
一方で日常商品では、家電とは異なりチラシなどの情報は店に行く前に見ておく行動が主になっており、行く店を決めてしまったら、基本的にその店で購入まで及ぶという行動がみてとれます。
食品のスーパーでの主婦の買い物の行動は、これまでは、チラシを見て献立を立て、それを紙にメモをして、、、という比較的アナログな領域のことでした。これがスマホの普及(クックパッドユーザーで約50%、携帯電話利用者全体で35〜40 %)によって、メモをとるという行為がデジタル化され、チラシ情報もスマホでの閲覧が可能になってきました。
基本的にはオンラインですべての消費行動が完結して行く構造に段々なってきていると思います。主婦の買い物行動のタイプとしては、折り込みチラシを見るかあるいは何も見ないで無条件に店に行く人、そして新聞を購読しておらず、行く店をピンポイントで探すタイプとに大体分けられます。ただ、どちらのタイプもよく行く店は2〜3店舗ほど。この先、推測としては3年くらいのうちにネットで情報を得るスタイルに急速に移行していくと思います。