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コラム

新聞広告の価値 再発見

【インタビュー】編集と広告の連携生かせ――旭化成・山崎真人 氏

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広告メディアとしての新聞の価値は十分に認識されているのか――。宣伝会議は10月の「新聞週間」、同月20日の「新聞広告の日」に合わせ、メディアニュートラル時代の新聞のあり方にスポットを当てた新聞「アドバタイムズ」を発行しました。掲載記事をWeb上に順次掲載していきます。

山崎真人氏(旭化成 広報室長)

広報と広告のバランスを取り、企業の取り組み姿勢を伝える

旭化成は2007年8月から、「昨日まで世界になかったものを。」をテーマに、主要紙を中心に年1~2回のペースで企業広告を掲載しています。新聞全45段(3ページ)を使い、見開き2ページでインパクトのある写真とともに社会の「問題」について提示し、次のページでそれに対する旭化成の「答え」つまり解決策を提案するものです。「問題」で読者の関心を引き、「答え」を読ませる仕掛けです。本年9月の掲載分で14作目を数えます。

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2013年9月10日に掲載した企業広告のテーマは「救命救急」

このシリーズを始める前、1997年から10年間は、旭化成の「化」の字を分解した「イヒ!」をキャッチフレーズに広告展開をしていました。「イヒ!」という音の面白さで引きつけて、特に若年層に対する認知度を上げる戦略でした。調査の結果、狙いどおり「イヒ!=旭化成」は定着し、企業認知度や好感度は上がりましたが、一方で企業姿勢や事業内容が十分に伝わっていないこともわかりました。

そうした背景から、現在のシリーズでは旭化成の企業のファクトを発信することを心掛けています。また06年に策定した中期経営計画では「グローバル型事業の拡大」を掲げており、それに伴い広告もグローバル戦略を支援するものにシフトチェンジしたのです。

企業広告の伝え方には工夫が必要です。テレビCMを大量投下する方法もあるでしょうが、15秒や30秒という短い時間で企業理念や事業内容をきちんと理解してもらうのは難しいことです。一方、新聞は時間に縛られません。じっくり読んで理解してもらえます。ポイントは、どのようにして読まれるようにするかでしょう。

「昨日まで」シリーズでは社会的関心が高いテーマを選ぶようにしています。直近の9月10日の広告のテーマは「救命救急」。ビジュアルは米国ボストン郊外の海岸で救命救急士が救助活動を行っているシーンです。今回の広告はクリティカルケア(救命救急)分野への進出を訴求しました。

広告掲載のタイミングは十分に検討して決めました。新聞は記事と広告で成り立っています。記事はコントロールできませんが、強い訴求効果がある。広告と広報のバランスをトータルで戦略を練ることが重要だと考えています。

≫次ページに続く 「編集と広告のシナジーが新聞に価値をもたらす」