編集と広告のシナジーが新聞に価値をもたらす
昨年4月、当社は米国の救命救急医療機器大手ゾール・メディカル社を1800億円で買収しました。このことは記者が飛びつくニュースです。記者会見を開き、トップや事業責任者への取材が殺到しました。次の矢は年末年始の取材。「今年を振り返り、来年の展望を述べる」というトップへの取材が増えました。広告掲載は3本目の矢となりました。一例ですがこのように、新聞では編集と広告の両側面から読者に情報を伝えることができます。
旭化成グループでは、サランラップやヘーベルハウスといったBtoC向け商品でも新聞を活用しています。へーベルハウスの「2.5世帯住宅」を発売した時は、物語をつくり、日経新聞で連載小説風に5日間掲載して、「2.5世帯」という新しい概念を訴求することができました。
広告と編集の相乗効果について触れましたが、もちろんこれは分けて考える必要があります。ネガティブな記事を書かれたからといって広告出稿を止めるというのでは企業としての姿勢を疑われます。新聞の公共性の高さが記事への信頼を生み、新聞広告への信頼感にもつながるのです。
広報と広告の両方に関わる立場から言わせてもらうと、新聞社の広告担当者はこうした新聞メディアの強みを十分理解したうえで企画を立て、広告主を開拓するくらいの積極性があってもいいと思います。
いま旬なネタは何なのか、どういう企画が求められているのか。ホットな情報は日頃から取材に携わる記者や編集者がつかんでいるはずです。逆に、いくら編集がいい記事を書いても、それだけでは新聞は事業として成り立ちません。新聞において記事(編集)と広告は両輪です。両者が互いの価値を認めてシナジーを発揮することができれば、まだまだ新聞というメディアの可能性は広がるでしょう。(談)
山崎真人(旭化成 広報室長)
1984年旭化成工業(当時)入社。住宅事業部門東京営業部、東京商工会議所出向を経て、2002年4月から広報室。広報室・リスク対策室課長、広報グループ長を経て2007年7月から現職。慶應義塾大学法学部卒。
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