いま、本当に日本企業にCMOは必要か?

【前回のコラム】「外部パートナーと最適なチームを組めていますか?」はこちら

マーケティングは消費者のエモーショナル、右脳に訴えかけるアートの要素と左脳に訴えかけるサイエンスの要素が融合した、幅広く総合的な活動です。「合理性」と「創造性」という、一見相反するようなふたつの活動が組み合わさった包括的な活動であり、それらをとりまとめて成功に導くためには、広範なスキルが必要とされます。

ところが多くの日本企業では、マーケティングがこのような活動であることが認識されていません。優れた製品をつくることや魅力的なテレビCMをつくることは「クリエイティブ」と認識されていても、「マーケティング自体がクリエイティブな活動である」と思っている、特にメーカーのマーケティング担当者はまだ少ないのではないでしょうか。

しかし、欧米のグローバル企業では「マーケティング」は高度な専門知識とスキル、そしてクリエイティビティが要求される専門職とみなされ、いったんそのポジションを得るとその道を究めることになります。そこで担当者の異動の多い日本と違い、企業内にマーケティングのノウハウやナレッジが蓄積されていきます。

“カリスマ社長”型の弊害

その違いは組織のあり方や人事にも表れています。多くのグローバル企業ではCMO(マーケティング最高責任者)という役職があり、マーケティング活動を横断的に統括しています。

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藤田 康人(インテグレート代表取締役CEO)
藤田 康人(インテグレート代表取締役CEO)

1964年東京都生まれ。慶應義塾大学を卒業後、味の素に入社。1992年、ザイロフィンファーイースト社(現ダニスコジャパン)を、フィンランド人の社長と2人で設立。1997年にキシリトールを日本に初めて導入し、素材メーカーの立場からキシリトール・ブームを仕掛けた。この結果、ガムを中心とするキシリトール製品市場はゼロから2000億円規模へと成長。2007年5月、IMC(Integrated Marketing Communication:統合型マーケティング)プランニングを実践する日本初のプランニングブティックとして、マーケティングエージェンシー、インテグレートを設立。代表取締役CEOに就任。著書に『どう伝わったら、買いたくなるか』(ダイヤモンド社)、『99.9%成功するしかけ』(かんき出版)などがある。2014年4月7日(月)に宣伝会議から最新刊『THE REAL MARKETING―売れ続ける仕組みの本質」が刊行予定。

藤田 康人(インテグレート代表取締役CEO)

1964年東京都生まれ。慶應義塾大学を卒業後、味の素に入社。1992年、ザイロフィンファーイースト社(現ダニスコジャパン)を、フィンランド人の社長と2人で設立。1997年にキシリトールを日本に初めて導入し、素材メーカーの立場からキシリトール・ブームを仕掛けた。この結果、ガムを中心とするキシリトール製品市場はゼロから2000億円規模へと成長。2007年5月、IMC(Integrated Marketing Communication:統合型マーケティング)プランニングを実践する日本初のプランニングブティックとして、マーケティングエージェンシー、インテグレートを設立。代表取締役CEOに就任。著書に『どう伝わったら、買いたくなるか』(ダイヤモンド社)、『99.9%成功するしかけ』(かんき出版)などがある。2014年4月7日(月)に宣伝会議から最新刊『THE REAL MARKETING―売れ続ける仕組みの本質」が刊行予定。

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