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コラム

クリエイティブ・イノベーション・ファーム takram のアイデアの生み方と育て方

自らの「見えない足かせ」を外す――制約というハンデを利用する方法—Someone’s Shoes(前編)

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前回の記事「隣の人の“アイデアの発火”をトレースする方法 – Spark Shadowing(後編)」

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「よいアイデア」が出ない理由

新規商品企画やキャンペーンの案を出すときに、ブレスト会議を開いてみたはよいが、アイデアがまったく出ない…という経験はないだろうか。

熱が足りなかっただけで、時間をかければ結果的にいろいろ生み出せる、ということなら良いが、たいてい理由は別にある。アイディアを発想するための場、「アイディエーションセッション」に最も肝要なものは、優秀なメンバーでもポストイットでもない。それは「適切な制約」である。

そもそも制約とはなにか。一言でいっても、マクロなもの(体制や言語など)からミクロなもの(対象や人物、場面など)まで様々だ。

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「制約」の持つ力 – 具体性のさじ加減

一番簡単な制約の例は、「問い」である。よい「問い」が設定できれば、よいアイデア発想につながる。問いを設定する上で大事なのは「具体性」だ。ターゲットとなる人物、シーンや場所、状況等をなるべく具体的に設定し、問いに落とし込む。慣れていないと、「問いをあるシーンに特化しすぎてしまうと、枠が狭くなりすぎて発想しづらいのでは」というコメントを受けることがある。「問い」が制約として厳しすぎるのでは? という疑問だ。これには一理ある。さじ加減は重要だ。しかしある程度は枠組みを狭めないと、生み出されるアイデアが、質においても量においても、中途半端になってしまう。

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