有料会員サービス「au スマートパス」とも連携
「au WALLETで、2016年度までに流通規模1兆円」——今年2月、田中孝司社長が描いた未来図の実現に向け、KDDIが動き出す。まずはプリペイド式電子マネー「au WALLET」で貯まるポイントが、最大3倍となる店舗・サービスを増やす。さらに、利用者1100万人の有料会員サービス「au スマートパス」で、該当店舗で使えるクーポンを配信。「au WALLET」の利用頻度の向上を狙う。
通常、「au WALLET」で貯まるポイントは利用額200円につき1ポイントだが、ドラッグストア「マツモトキヨシ」や、スーパーマーケット「イトーヨーカドー」のほか、焼き肉「牛角」、映画館「TOHOシネマズ」、カラオケ店「ビッグエコー」などでは2~3倍になる。KDDI広報は「消費者の毎日の生活動線を考え、利用店舗をラインナップした」とし、ポイントアップ参画店は8月28日現在で21社約2万2000店に上る。
また、宿泊予約サイト「一休.com」と提携し、「au スマートパス」に「旅・宿泊コーナー」をオープンした。「一休.com」を利用するとWALLETポイントが通常の10倍となり、スマートパス会員は常時1000円割引となる。今冬、宿泊予約サイト「relux」もコーナーに迎え入れる。
WALLETポイントは、auの携帯電話利用料金や、データ通信容量の購入にも使えるようにした。通常どおり1ポイントで1円分となる。家族間でポイントを贈り合える仕組みも用意した。「au WALLET」との連携を強めるため、9月上旬には「au スマートパス」のアプリをアップデートし、「au WALLET」のチャージ残高、貯めたポイント数を確認できるようにする上、アプリ間の行き来もスムーズにする。
「au WALLET」の申し込み件数は、5月8日のサービス開始から8月28日までで500万件以上に達している。KDDI広報は、「au WALLET」の利用履歴に即したクーポン配信など、「ユーザーの利便性・満足度を高める機能は追加していく方針」とし、「さまざまな角度から検討していきたい」と含みを持たせた。
当面の課題は、利用シーンの統合だ。現状、「au WALLET」と「au スマートパス」を両方利用したい場合、クーポンの利用は「auスマートパス」の画面をレジなどで見せ、その後、「au WALLET」で決済する流れ。ポイントカードと連携させ、スマホ画面などを見せなくても、特典を付与できる他社アプリなども登場しており、ブラッシュアップの余地を残す。
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