インテージ、一橋大学経済研究所、新日本スーパーマーケット協会の3者は共同で、消費者の支出変動を示す「SRI一橋大学消費者購買指数」の公開を29日に開始した。以降、毎週月曜日に前々週分のデータを発表する。データは、一橋大学経済研究所経済社会リスク研究機構のWebサイトから無償でダウンロードできる。
総務省が発表する、商品やサービスの値段の動きを表す「消費者物価指数」との違いは、「価格の変化(購買価格指数)」に加え、「購買数量の変化」と「新発売商品の影響」の3要素から、消費者の支出の変化=売り上げの変化を明らかにした点。
例えば、2013年9月第4週から14年8月第4週のデータ(図)を見ると、13年3月に入り、グレーの部分(turnover)が大きく伸びているのがわかる。これは商品の入れ替わりを示す指標で、前年同週には販売のなかった新規取り扱い商品の支出と、逆に、前年同週に取り扱っていたが今年は販売を終えた商品の支出の比率。
グラフからは、新商品の投入が、消費増税前の駆け込みで起きた“まとめ買い”(購買数量=オレンジ色の棒グラフの伸び)と共に、売り上げ(イエローの折れ線グラフ)の上昇を押し上げていることがわかる。ほかの時期を見ても、購買数量の低下(既存品の不調)を、商品入替効果(新商品の投入)が支え、売り上げを高めていたことも明らかになった。
ただし、現状では“新商品”には、既存ブランドだが内容量が異なる商品など、JANコードの異なるリニューアル商品も含まれる。「全くの新商品との切り分けは今後の課題」(インテージ広報)。
指標は総合スーパー、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストアの4業態、約750社全国約4000店舗のPOSデータから算出する。対象商品は、食品や飲料、日用雑貨、医薬品、化粧品など約300カテゴリーにわたる100万点。ただし、国内の商品の共通番号として使われているJANコードのない生鮮品や総菜、日配品、コンビニコーヒーのほか、家電や衣料などは対象外。
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