【前回のコラム「いま広告に平賀源内の発想が求められている」はこちら】
永続する価値ってなんだろう
左)POOL 小西 利行 氏 右) Facebook 須田 伸 氏
須田:
僕がこの連載の最初の「現代の平賀源内」としてクリエイティブディレクターの小西利行さんに声を掛けたのは、広告の効果が10年やそれ以上にわたって続くようなコピーや企画を考えようとしているから。まさに、平賀源内が「土用の丑の日」を考え、それが今も生き続けているようなことに小西さんは挑戦しているんだと思う。長い間、人を惹きつけるものを生み出すためには、広告のテクニック論というよりも、「自分がこういう世の中を見たい」だったり、「この会社はこうなったらいいんじゃないかなあ」という自分の中から湧き出るような好奇心が必要なんじゃないかな。
小西:
いま須田さんに言われて気づいたんですけど、
僕は企業や商品・サービスの中に「この価値は腐らないだろう」とか「この価値は今後もアップしていくんじゃないか」ということを探していることが多い。
例えば、もう10年ぐらい前になるけど、イオンレイクタウンのオープニングの仕事で最初にクライアントからオリエンされたコンセプトが「日本最大のショッピングセンター」だった。それを聞いて思ったのが、半年後に外敵が現れ、もっと大きなショッピングセンターをつくったら、コンセプトが無くなってしまうということ。そこで、考えたのが「日本最大の“エコ”ショッピングセンター」。それならば、今後たとえ日本最大のショッピングセンターが現れても、エコショッピングセンターというコンセプトは残る。当時エコとショッピングセンターを組み合わせた考え方が新しかったということもあって、一気に受け入れられた。もちろん「日本最大」っていうワードは、オープンのタイミングでブーストさせるためのキャッチフレーズとしては機能するけど、本当のコピーはエコショッピングセンターだと思っていた。広告のクリエイターは少し先を読むのは得意だけど、5年先や10年先を読むのは苦手としていることが多い。「
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須田伸(フェイスブック執行役員 マーケティング本部長)
須田伸(フェイスブック執行役員 マーケティング本部長)
1967年、大阪府生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。1992年より博報堂制作局にてCMプランナー/コピーライターとして8年間勤務。ACC賞、日経広告賞、消費者のためになった広告コンクール金賞など受賞多数。1998年カンヌ国際広告祭ヤングクリエイティブコンペティションに日本代表コピーライターとして出場。2000年より2年間Yahoo!Japanに勤務し、初代Y Chat MCとして「インターネット市民集会 with 鳩山由起夫」など数多くのライブチャットイベントを企画実行。
2002年より2012年まで10年間、サイバーエージェントに勤務し、同社のブランドをアメーバに一新する。「サイバーエージェント/アメーバ」は、2008年度グッドデザイン賞を受賞。
勤務のかたわら日経ビジネスオンラインにて「Web2.0(笑)の広告学」を連載。2012年4月よりFacebookJapanに勤務。
著書に『次世代広告進化論』『次世代広告テクノロジー』『時代はブログる!』など。
須田伸(フェイスブック執行役員 マーケティング本部長)
1967年、大阪府生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。1992年より博報堂制作局にてCMプランナー/コピーライターとして8年間勤務。ACC賞、日経広告賞、消費者のためになった広告コンクール金賞など受賞多数。1998年カンヌ国際広告祭ヤングクリエイティブコンペティションに日本代表コピーライターとして出場。2000年より2年間Yahoo!Japanに勤務し、初代Y Chat MCとして「インターネット市民集会 with 鳩山由起夫」など数多くのライブチャットイベントを企画実行。
2002年より2012年まで10年間、サイバーエージェントに勤務し、同社のブランドをアメーバに一新する。「サイバーエージェント/アメーバ」は、2008年度グッドデザイン賞を受賞。
勤務のかたわら日経ビジネスオンラインにて「Web2.0(笑)の広告学」を連載。2012年4月よりFacebookJapanに勤務。
著書に『次世代広告進化論』『次世代広告テクノロジー』『時代はブログる!』など。
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