「戦略は正しかったが、うまく実行できなかったために失敗した」はなぜ生まれるのか

戦略は実行、そしてビジネス環境と切り離せない

画像提供:shutterstock

清水勝彦氏の著書『戦略と実行』では、戦略を策定しても、その通りに実行できない企業の問題点として、「組織内のコミュニケーション」を挙げました。これは、戦略の実行レベルに課題があるという話で、戦略自体を問題としては捉えていません。

しかし、本当にそうでしょうか。

このテーマは古くから様々な場で語られてきています。

昨年のコラム

で紹介したボストン コンサルティング グループ(BCG)の社員による共著『戦略にこそ「戦略」が必要だ』(日本経済新聞出版社から邦訳が出ました)でも、戦略そのものではなく実行に問題が発生すると書かれています。

ここで問題として指摘されているのは、実行のフェーズを無視して戦略を選ぶことにあり、ビジネス環境に準じて相応しい戦略が実行されるべきであるということです。外的環境や前提に合わせて戦略を選ばない限り、必ず戦略と実行の間に齟齬が生じるというのです。

清水氏の著書はおそらく、BCG(ボストン コンサルティング グループ)の言う「クラシカルな戦略」を前提として、実行に移す際に生じる組織内でのコミュニケーション構造という細部についての問題提起でしかないことが分かります。

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鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)
鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

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