【前回コラム】「磯部光毅×野添剛士「戦略の『型』を知っているから、プランニングが自由になる」」はこちら
今年4月に発売した
『手書きの戦略論 「人を動かす」7つのコミュニケーション戦略』(宣伝会議刊)は、コミュニケーション戦略を「人を動かす心理工学」と捉え、併存する様々な戦略・手法を7つに整理し、その歴史的変遷や、プランニングの方法を解説する書籍。企業のマーケティング責任者は、本書をどのように仕事に活用できるのか。森永乳業マーケティングコミュニケーション部の寺田文明部長と、著者の磯部光毅氏に話してもらった。
森永乳業 マーケティングコミュニケーション部 寺田文明氏
戦略プランナー 磯部光毅氏
「広告部」から「マーケティングコミュニケーション部」に名称変更した理由
寺田:
『手書きの戦略論』は、広告コミュニケーションに関わる全体をカバーし、かみ砕いてとても分かり易く書かれており、広い視野と経験を基に時間と多大な力をかけられたものだと感じました。特に、我々事業会社の広告担当としては、広告の歴史的な流れやカンヌのトレンドなどは参考になりました。
磯部:
本書は、経営戦略分野のミンツバーグの『戦略サファリ』や三谷宏治さんの『経営戦略全史』などを意識しながらも、バズワードが次々に生まれ複雑化しているコミュニケーションの戦略論の全体を俯瞰することを目指しました。
寺田:
私が在籍する森永乳業の「マーケティングコミュニケーション部」は、今年6月にそれまでの広告部から組織名称を変更しました。2月にデジタル専門部門を立ち上げたものの組織的には変わっていないのですが、あえて名前を変えることにこだわりました。この名称には、従来の広告の概念にとらわれず、あらゆる接点でのお客様とのコミュニケーションを重視していくという意図があります。磯部さんの『手書きの戦略論』にも、「広告戦略ではなく、企業・ブランドとお客様とのあらゆる接点での双方向のやりとりを重視したコミュニケーション戦略を考えなければいけない」と書いてありますよね。その視点が今の私自身の課題意識にぴったりとはまり、興味深く読ませていただきました。
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磯部 光毅
アカウントプラナー
1972年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、1997年博報堂入社。ストラテジックプランニング局を経て、制作局(コピーライター)に転属。2007年独立し、磯部光毅事務所設立。主な仕事に、サントリー「JIM BEAM」「ザ・プレミアムモルツ」「伊右衛門」「伊右衛門特茶」、トヨタ自動車「G's」、ダイハツ「タント」、コーセー、KDDI、Google、味の素、AGF、花王、ティファニー、ブリヂストン、三井不動産、カルビーなど。ブランドコミュニケーション戦略を核に、事業戦略、商品開発からエグゼキューション開発まで統合的にプランニングすることを得意とする。受賞歴にニューヨークフェスティバルズAME賞グランプリ、ACC CMフェスティバル ME賞メダリストなど。著書に『ブレイクスルー ひらめきはロジックから生まれる』(共著、宣伝会議、2013年)、『アジアマーケティングをここからはじめよう』(共著、PHP出版、2002年)、『ニッポンの境界線』(共著、ワニブックス、2007年)がある。
アカウントプラナー
1972年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、1997年博報堂入社。ストラテジックプランニング局を経て、制作局(コピーライター)に転属。2007年独立し、磯部光毅事務所設立。主な仕事に、サントリー「JIM BEAM」「ザ・プレミアムモルツ」「伊右衛門」「伊右衛門特茶」、トヨタ自動車「G's」、ダイハツ「タント」、コーセー、KDDI、Google、味の素、AGF、花王、ティファニー、ブリヂストン、三井不動産、カルビーなど。ブランドコミュニケーション戦略を核に、事業戦略、商品開発からエグゼキューション開発まで統合的にプランニングすることを得意とする。受賞歴にニューヨークフェスティバルズAME賞グランプリ、ACC CMフェスティバル ME賞メダリストなど。著書に『ブレイクスルー ひらめきはロジックから生まれる』(共著、宣伝会議、2013年)、『アジアマーケティングをここからはじめよう』(共著、PHP出版、2002年)、『ニッポンの境界線』(共著、ワニブックス、2007年)がある。
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