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「広告換算は一切禁止!」広報・PR関係者必見、PRアワードを仕事に活かす方法

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今年も、日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)が主催する「PRアワードグランプリ」の応募が始まった。PRアワードは、企業や団体、PR会社、広告会社など対象を限らず、パブリックリレーションズ(PR)の活動事例について広く募集し、審査・表彰する国内唯一のアワードだ。事業の形態や規模、協会の加盟・非加盟にかかわらず、誰でも応募できる。ちなみに前回の応募総数は57点。増加傾向にあるものの、まだまだ国内には多くの優れた活動事例が埋もれているのではないだろうか。

創設16年目を迎えた今年、PRアワードの審査方法やエントリー形式が刷新された(関連記事はこちら)。博報堂ケトルの嶋浩一郎さんを審査委員長とし、企業広報やPR関連会社で実務経験を持つ8人の審査員団が選考にあたる。

「PRの“未来” を指し示すものにしたい」と関係者が語る、新・PRアワードとは。アワードのリニューアルに尽力した協会理事 兼 顕彰委員長の冨岡洋子さん(NTTデータスマートソーシング 取締役執行役員)と、協会のアドバイザリーメンバーであり、顕彰委員も務める本田哲也さん(ブルーカレント・ジャパン代表取締役社長)が語る。

左から、PRSJの理事 兼 顕彰委員長の冨岡洋子さんと、PRSJのアドバイザリーメンバー 兼 顕彰委員の本田哲也さん。

PRアワードって何? どう変わった?

Q:昨年はカゴメの「ウェアラブルトマトプロジェクト」、一昨年はNPO法人東北開墾の月刊情報誌「東北食べる通信」がグランプリでしたね。今年、PRアワードを一新した理由を教えてください。

冨岡:PRアワードは、国内におけるPR活動の質的向上や理解促進を目的に、2001年にスタートしました。当初は、業界内のナレッジシェアや事例研究という側面が強かったと聞いています。刷新の最大の理由は、社会環境や状況の変化です。「PR」と言ったときにイメージすることが、創設時と今とでは、まったく変わってしまいました。社会や企業にとってPRの重要性が増し、理解が深まるにつれて、より“リアル”な現場の視点が求められていると感じていたんです。

本田: 特にこの10年の変化スピードは、すさまじい。ソーシャルメディアが誕生し、統合コミュニケーションという考え方が生まれ、PRの役割やPRパーソンの仕事の範囲が、ものすごく拡張しました。現場の変化スピードに合わせて、アワードをキャッチアップさせたようなイメージですね。

また、世界最大のアワードである「カンヌライオンズ」のPRライオン(部門)などでは、「PRの未来を考えよう」として、審査過程や選出する作品を通して、業界が目指すべき方向性やメッセージを示そうとしているので、今回のリニューアルでは、その考え方を取り入れました。

冨岡:そうですね。今回の改革には、今を生きるPR業界の“リアル”を映し出すような、そして、日本におけるPRの“未来”を指し示すようなアワードになってほしい、との願いを込めています。

Q:いくつか改革のポイントがあるかと思いますが、一言で言うと、どう変化したのでしょう。

本田:端的に言うと、「シンプル&プロフェッショナル」になりました!

冨岡:エントリーシートはシンプルな統一のフォーマットになり、実務経験が豊富な「PRのプロ」8人が、カテゴリーを横断して審査します。かつては部門を設け、各々に賞がありましたが、そういった垣根は取り払い、PRアワード全体として一つのグランプリ、そしてゴールド、シルバー、ブロンズを決めます。以前は一般の方による審査投票もあったのですが、思い切ってやめました。プロが審査する、ということに特化したので、PRのアイデアやアクティビティの「本質」が徹底して問われることになると思います。

「プロがプロを審査する」。新・PRアワードのキャッチコピーだ。

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