メディアは「広告媒体」から脱却すべき — CNN広告営業トップが提言

(取材対象者)
CNNインターナショナル・コマーシャル(CNN International Commercial)
アジア太平洋 広告営業上席副社長
Sunita Rajan(スニータ・ラジャン)氏

 

1980年に開局し、米国に拠点を置くニュース専門放送局 CNN(Cable News Network)は、200以上もの国と地域で視聴され、日本には2010年に上陸した。SNSの浸透などにより、誰もが情報の発信者となることができ、一方でメディアの強く信頼性が問われる現代。こうした中、世界最大規模のニュースチャンネルとしてどのような点を強みとし、今後どのようなことに注力していくのか。アジア太平洋地域における広告営業を統括するスニータ・ラジャン氏に聞いた。

──2017年は、これまで以上にメディアの信頼性が問われる年となった。

確かに、我々CNNを含め、伝統的なメディアへの風当たりが強い1年だったと思う。しかしそれは、裏を返せば、人々からの期待感の強さの表れであったとも思っている。

CNNは、過去30年以上にわたり、ニュースおよびジャーナリズムの領域で確固たるブランドを確立してきた。いつの時代も、オーディエンスにとって身近なニュースソースであり続けてきたという自負がある。強さのポイントは、大きく2つある。

まず、オーディエンスが何よりも知りたいと考えている「真実(ファクト)」を提供しているということ。ソーシャルメディアを含め、現在、世の中には無数のニュースソースが存在する。こうした中、最も重要なのはジャーナリズムのクオリティに他ならない。CNNは、世界中のさまざまな国や地域の経験豊富なジャーナリストをネットワークしており、各地で発生する事件・事象のファクトをいち早く、また詳細に報道する体制が整っている。

もうひとつは、編集力の高さだ。事件・事象をリサーチし、ストーリーを組み立てるだけでなく、多角的な視点を提供している点が特徴と言える。テレビだけでなく、デジタル、ソーシャルと、CNN発信の情報・コンテンツにさまざまな形でアクセスできるプラットフォームを構築しており、各種の問題について、ユーザーが多様な立場の有識者とともに考えることができるのが強みだ。

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