元P&G、ステンゲル氏の「目的」別ブランド分類
では物語ブランドについて語りました。
今回はその物語にも、いくつかの種類があるということをご紹介したいと思います。これは文学においてはジャンル論と呼ばれる領域です。ブランドの領域における、こうしたジャンル分けの中で、近年もっとも有名なのは元P&Gのジム・ステンゲルの著書『Grow(邦題:本当のブランド理念について語ろう 「志の高さ」を成長に変えたトップ企業50)2011年刊』で語られているブランド理念の分類でしょう。それは下記の5つの理念原則に分類されます。
1.喜びを感じさせる(幸せや驚き、無限の可能性を体験する後押しをする)
2.結びつく事を助ける(他の人達や世界と有意義な形で結びつく能力を高める)
3.探究心を刺激する(新しい世界や経験に乗り出すのを助ける)
4.誇りをかき立てる(自信や力、安心感、活力を高める事を可能にする)
5.社会に影響を及ぼす(現状を揺さぶり、社会全体に好ましい影響を与える)
アップルやグーグルのようなテクノロジー企業は主に「探究心を刺激する」でしょうが、フェイスブックやスターバックスは「結びつく事を助ける」であり、コカ・コーラやマクドナルドは「喜びを感じさせる」ことがその目的と言えるでしょう。
