とあるデジタルマーケターの懺悔、ネット登場後に犯した判断ミスとは?

大量販売や購入者数の拡大を目指すより、一人ひとりの顧客に深く長く寄り添い、デジタルで自動化できることは任せ、利益を伸ばしていくには? 本間充氏の初の単著『シングル&シンプル マーケティング』(宣伝会議 刊)では、生活環境にデジタルが浸透した時代の、マーケティングの基本戦略を解説しています。ここでは発刊を記念したコラムをお届けします。

平成も最後の夏が終わろうとしています。この平成に、私たちはインターネットを知り、デジタル・マーケティングという言葉を知りました。インターネット登場という大きな変化に対し、マーケターはどう挑んできたのか、少し振り返ってみたいと思います。

シングル&シンプル マーケティング
大量生産、大量消費を目指すのではなく、対話+データ分析で個人に寄り添う、これからのマーケティングを、宣伝会議の人気講師が提唱。利益を伸ばしたいマーケター必読。予約受付中。

私が最初にインターネットの民間・企業利用を知ったのは、花王の研究員時代。当時はUNIXというOSのコンピューターで、数値計算や数値シミュレーションのプログラムを書き、製品開発の研究を行っていました。

「インターネット」という言葉が、まずはコンピューターの知識がある人たちの間で広がり始め、私も企業のWebサーバーを作り、HTMLを書いて、Webページを立ち上げ、満足感を味わっていたことを覚えています。

このころ、さまざまな会話が、マーケターの中でなされていました。

「テレビや、ラジオはインターネットに変わるのか?」

「企業が、Webを使って、直接コミュニケーション可能になれば、広告は不要になるのか?」

などなどです。

もちろん、これらの会話は、「インターネット」や「デジタル」というものが私たちにとってどのような存在かを理解するために、必要な想像や議論でした。この議論により、マーケティングの中で「インターネット」や「デジタル」の言葉の定義ができていったと思います。

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