デジタル時代に、生産の仕組みも変わった

この「インターネット」や「デジタル」の登場による変化は、マーケティングにおける、広告・宣伝(Promotion)領域だけではありません。モノやサービス（Product)の領域にも大きな変化をもたらしています。

顧客管理は、デジタル技術により、以前より簡単になりました。同様に、モノづくりの現場では、カスタムメイドも、生産・物流のデジタル化により、以前より遥かに容易になりました。

今まで多くのマーケッターが、大量生産でなければ成り立たないと思っていた、生産・物流の技術も進化しているのです。「大量生産」でなくても、生産・物流が可能で利益が出せるとなれば、私たちマーケッターの取れる戦略も大きく広がるのです。

つまりメディアもモノ・サービスづくりも、「インターネット」「デジタル」の技術を取り込んでいるのです。デジタルの部署を作ってデジタル・メディアに目を向けるだけではなく、モノづくりを含めた「マーケティングのデジタル化」に目を向けなければならなかったはずなのです。

この認識をきちんと持つことが今のマーケティングにとても重要なのではと、深い反省とともに考え、『シングル&シンプルマーケティング ～個客に深く長く寄り添い、利益を伸ばす』という本を、執筆しました。

マーケティングがデジタル化したことにより、大量生産、顧客数の拡大を目指さなくても利益を追求できるようになっています。大量生産時代以前のように、マーケターがお客様一人ひとりに長く寄り添い、対話を重視し、信頼を築いていく、人と人の関係へと「シンプル」に立ち戻ることができるということです。

この「シングル＆シンプルマーケティング」というのは、これからのマーケティングの決定打ではなく、一つの考え方です。多くのマーケターが知恵を出し合い、さまざまな議論が起き、自社にあったさまざまなマーケティングが考えられ、実践されることが重要だと考えています。

この本を書くのにあたり、実に多くの方からアドバイスを頂きました。本当に「インターネット」「デジタル」の技術は、すべての領域に変化を与えていて、技術革新は、さまざまな場所で起きていることを実感しました。この本が、マーケティングの新しい考えの創造のヒントになってほしいですし、ぜひマーケターが積極的に断片的な情報を集め、対話し、これからの新しいマーケティングを築くことの一助になれば良いとも考えています。

『シングル＆シンプル マーケティング』
大量生産、大量消費を目指すのではなく、対話＋データ分析で個人に寄り添う、これからのマーケティングを、宣伝会議の人気講師が提唱。利益を伸ばしたいマーケター必読。予約受付中。