【前編】「“最大の効果を出すチーム”は、管理ではなく会話でつくられる【ピョートル・フェリクス・グジバチ氏 前編】」はこちら
今回は『世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法 』(朝日新聞出版)の著者であるピヨートルさんと、『予定通り進まないプロジェクトの進め方』の著者である前田考歩さんと後藤洋平さんの鼎談の後編です。前編でイノベーションが生まれる環境について語ったピョートル氏。後半では結果の出し方について話し合います。
適切な関係性は心理的安全性の上に成り立つ
後藤:
すべて白黒をつけるような管理された環境ではイノベーションは起きない。失敗したことを普通に話せて、それに対してどういう対策をとるのか話し合える。そういう環境が大事なのですね。
ピョートル:
そうです。そういう環境にするには、心理的に安全性の高い関係と関係性を作ることです。僕の言う「関係」と「関係性」は意味が違います。「関係」とは信頼し尊重することで、「関係性」とは役割分担を指します。
仕事の関係の大前提は一緒に結果を生み出していくことです。しかし、残念ながら日系企業の現状は、上司との人間関係が無く、何が結果なのか話されないまま忖度の世界に入っていきます。外資系企業の悪いパターンは、雇用管理文書で社員を縛り、結果が出ないとクビにしてしまうというパターンです。
企業はもっと建設的で深い人間関係を作ることを考えなければいけません。人は他人との関係や関係性の中で成り立っているものです。例えば、プロジェクトを担当している人、一人ひとりがどう動いたかを見るよりも、プロジェクト自体がどう動き、どのような結果を出したかを見る方が建設的だと思いませんか?
ですが、会社というものは大きくなると不自然な組織になるものです。なぜ、上司に嘘をつかなければならないのか。なぜ、会議の時に「みなさん、この話って意味がないですよね」と本音を言えないのか。僕が育った農村ではもめ事がすごく多いんです。「これはどうなったんだ?」と喧々諤々言い合います。なぜ、会社ではそれができないのか。僕にはわけがわからない。僕はこの不自然な「会社」という組織を壊したいんです。だからこうして情報発信をしているのです。
