株式会社ナガオ考務店の代表で、リーダーシップについての著書『完璧なリーダーはもういらない』もある長尾彰さん。組織開発とファシリテーションの専門家である長尾さんに、『予定通り進まないプロジェクトの進め方』の著者 前田考歩さんが、プロジェクトとリーダーシップの関係について伺いました。
プロジェクトの意思決定にリーダーシップが与える影響は?
前田:
今日は、マンガ「宇宙兄弟」をモチーフに、リーダーシップについての著作もある長尾彰さんに、プロジェクトとリーダーシップについて聞くということがテーマなんですが、お聞きたいことが二つあります。一つは、プロジェクトの意思決定においてリーダーシップがどのような影響を与えるのかということ。もう一つが、長尾さんのご専門である「ファシリテート」という機能が、プロジェクトに良い影響を与えるのではないかと考えており、それについてのお考えを聞いてみたいということです。
長尾:
はい、喜んで。
前田:
まず、リーダシップがプロジェクトの意思決定に与える影響についてうかがっていきたいのですが、プロジェクトを任されたプロジェクトマネージャーはどのようなリーダーシップを発揮していけば良いでしょうか?長尾さんの書籍には、自分が率先してアイデアや考えを示してみんなを引っ張っていく賢者風リーダーシップと、みんなに助けてもらいながらプロジェクトを進めていく愚者風リーダシップについて語っておられましたが。
長尾:
賢者風リーダーシップと愚者風リーダーシップの違いは、語る言葉が「Should(~しなければ ならない)」と「Want(~したい)」かというところにあります。リーダーはこうあらねばいけないとか、このプロジェクトはこう進めなければいけないという風な考え方になり、それを周囲にも求めるのが賢者風リーダー。一方、愚者風リーダーは「こうしたい」を大事にして、そうするために強制や命令ではなく、「どうすればいいと思う?どうしたい?」と周囲の意見を求めていきます。