2018年4月に30周年を迎えた、テレビ東京の『WBS(ワールドビジネスサテライト)』。『広報会議』2018年12月号(11月1日号)では『WBS』はじめ、テレ東の経済番組を約50ページにわたり特集しました。アドタイでは、2014年春からメインキャスターを務める大江麻理子さんのインタビューをダイジェストでお届けします。
WBSで「報道する意義」を考える
—大江さんはスタジオを飛び出して取材に出ることも多いですが、企業広報との連携が求められる場面で、特に印象に残っている出来事はありますか。
たくさんあるのですが、中でも強く印象に残っているのは2017年10月2日に特集を放送した「アスクル」の取材です。この年の2月16日、埼玉県三芳町にある同社の物流倉庫で大規模な火災が発生し、大きな話題となりましたよね。出火原因はフォークリフトのエンジンルーム内に入り込んだ段ボール片で、12日間も燃え続けた結果、東京ドーム1個分の面積が焼失してしまいました。
そんな未曾有の火災だったにもかかわらず、アスクルは10月2日、出荷量が火災前の水準まで復活したとして「完全復活」を宣言しました。WBSでは、火災発生から完全復活宣言までの約7カ月間に密着し、物流復活と防災強化に挑む姿を独占取材しました。
この特集は、アスクルの広報の方のお力なくしては成り立ちませんでした。実際に私がヘルメットにマスク姿で火災現場に入り、レポートするという大変貴重な機会もいただいて。倉庫に入ってみると、1階は損傷が少なくてまだまだ使えそうな印象でした。2階以上については、商品やコンベアなどが激しく燃えた跡があって、凄惨な状況となっていました。カメラだけでなく、私が実際に現場に足を運ぶことができたので、「臭い」なども伝えることができ、視聴者の方にもリアルに感じていただけたかなと思っています。
