【前回】「#SXSW2019 日本から世界に挑む!日系企業出展事例⑥:電通」はこちら
今回は、SXSWインタラクティブ部門のトレードショーに出展した日系企業の中から、三菱電機を紹介する。
三菱電機
開発後、初めて一般に公開 前向きなフィードバック
三菱電機は、SXSWへの出展3日前にリリースしたばかりの最新テクノロジーを披露した。同社は、言葉を話したあとにタブレットやスマートフォンの画面を指でなぞると、その軌跡にまるで宙に浮かんでいるような3Dの文字が表示できる技術「空中しゃべり描きUI(ユーザーインターフェース)」を開発。そこに動画撮影機能などを組み合わせ、動く被写体と3D文字を合成した新しい動画表現を可能にするアプリケーション「空中しゃべり描きアプリ」を展示した。
出展の目的について、同社デザイン研究所 ソリューションデザイン部 インタラクションデザイングループ 平井正人氏は、「今回のSXSWが、初めて一般の方に触れていただく場になる。そもそもこういったアプリケーションが、海外の方も含めて受け入れられるものなのかどうかを確認したかった」と話す。
当技術の前身は、2016年にリリースした「しゃべり描きUI」で、これにAR(拡張現実)技術を組み合わせ、立体的な文字表現を可能にしたのが「空中しゃべり描きUI」だ。
そもそも「しゃべり描きUI」は、聴覚障がいのある人や外国人とのスムーズなコミュニケーションの実現を目指して考案。お絵描き機能や多言語翻訳機能などを組み合わせ、画面上に絵や文字を描きながら指定の言語で説明できるアプリケーション「しゃべり描きアプリ」を同時に開発し、実用化を目指している※。
一方、「空中しゃべり描きアプリ」は、動画への文字入力を簡単にできるようにすることで、SNSなどにおけるコミュニケーションの幅の拡大を主な目的として開発された。
ブースを訪れ、デモンストレーションを体験した人の反応は良好で、「前向きな感想も多く、想像以上の反応に驚いている」と平井氏。なかでも映像関係者は、技術の活用に興味を示しているという。
今後は、今回得られたフィードバックをもとに操作性の改善や機能の追加を行い、より利用されやすいアプリケーションにブラッシュアップしていく予定だ。
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