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消費者とリアルな接点を持てる交通広告・OOHは、「移動空間」や「景観の一部」という従来の概念を飛び越え、人や人、人と地域のコミュニケーションの場を生み出していく可能性があります。
本コラムでは、「Metro Ad Creative Award」の審査員らが登場。交通・OOH広告を広く、街の魅力を創造するメディアとして捉え、最前線で活躍するクリエイターたちが自身を刺激する都市におけるクリエイティブについて語ります。
今回はプランニング部門審査員のTBWAHAKUHODO エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター 佐藤カズー氏にお話を伺いました。—AIGジャパン・ホールディングス PRIDE JERSYなど広告やメディアの枠にとらわれないクリエイティブを生み出されていますが、『都市』におけるクリエイティブ、交通・OOH広告についてはどのように考えていますか。
交通・OOH広告は都市と関わりが最も深いクリエイティブ。近い将来すごいポテンシャルを発揮する媒体だと確信しています。理由は2つあって、1つは駅近カルチャーが加速するだろうという点。全ての商業施設が今まで以上に駅セントラルになり、駅を中心にした商業圏化が顕著になっていくであろうという予測。単純に人の絶対量が増えますよね。
もう一つは、交通・OOH広告は、そこそこ強制力をもって街を行き交う人々にアプローチできるという点。SNS上でのアドは、よっぽど面白ものでない限り、ユーザーにとってはストレスでしかない。その点交通・OOH広告は街と一体化したかたちで自然と目に入るのでアドに邪魔されてる感覚が薄いのかもしれません。また、近年は搭載したカメラでターゲットに応じたアプローチや、継続的なデータ収集が可能になっています。
さらに今後は5G(第5世代移動通信システム)の世界的な普及にともない、交通・OOH広告はデジタル広告を超えるアド産業革命をもたらすのではないでしょうか。
—5Gインフラが整備されることで、交通・OOH広告、そしてクリエイティブの在り方はどのように変化していきますか。
カメラを搭載した交通・OOH広告が一般化し、膨大な収集データがもとにした『効果的な広告・見逃されない広告』がつくりやすくなることは間違いないでしょう。例えば化粧品広告の前に立つと瞬時にその商品を使った自分の姿がリアルタイムにディスプレイに反映されるなど、通信速度・処理速度が高くなることにより、よりインタラクティブでよりパーソナライズされた施策も簡単に実行できる環境になると思います。