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コラム

「恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。」ディレクターズカット

第5回 第4章 「恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。」ディレクターズカット

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【前回】「第4回 第3章 「恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。」ディレクターズカット」はこちら

恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。』の著者、小霜和也氏が本書では収録しきれなかった内容をお届けするコラム。本書と合わせてお楽しみください。

「恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。」
著:小霜和也
発行:宣伝会議
詳細・購入はこちらからご覧ください(宣伝会議オンラインはこちら)(Amazonはこちら

こんにちは、小霜です。

今週も本書への質問が届いていますので、それらへの回答から始めたいと思います。

Q.

「第4章」の諸葛亮とか韓信とか全く知りませんし、例えで出されてもピンと来ないのですが。

A.

そういう人は僕の友達じゃあないッ!

Q.

エージェンシーにとって耳の痛い内容ですが、大丈夫でしょうか。

A.

エージェンシーの悪徳な人にとって耳が痛いのであって、善良な人にはむしろ耳心地よいのではないでしょうか。実際、エージェンシーの方々から「うちとも契約を」「ぜひ相談したい」というお話を年明け早々いくつかいただいています。「小霜の新著読んでどうだった?」の反応で悪徳度が測れるかもしれません。リトマス試験紙としてもお使いになれますネ!

第4章では、いくら精緻なストラテジー構築をしコミュニケーション設計をしても制作現場のつまらない事情で全てがパーになる実態とその対策などが書かれています。
削除した箇所は、

P.190
いつだったかな、小学校の末娘が「わかってるぅ〜アイフルぅ〜」て口ずさんでたんですね。僕の仕事だと知らないで。本来、これはヤバい話なんですよ。消費者金融のCMに未成年が反応するというのはあってはならないことなので。でもマス系CDの本音の部分として「やった感」はあるんですよね。

ヤバい話かなと思ったので削除しました。ここで書いてたら意味ないですけどてへぺろ。

P.191
何が言いたいのかわからないCMを観るとイラッと来ませんか?人は本能的に「理解できない」ものに恐怖を抱きます。未知の天敵かもしれませんから。

くどいように感じて削除したのですけど、僕は人の行動に影響を与える素因のほとんどは本能から来ていると思っています。進化心理学を勉強すると人に関するいろんなことが明瞭にわかるようになります。オススメです。

P.194
とんでもない話ですが、優秀で立派な働きをする部長が入ってくると、エージェンシーが排除しに動くこともあります。思い通りにできる素人の方が都合いいので。ちょっとしたことでパワハラだと役員に直訴したり。そんな時、現場の実情を知らない社長が「うまくやってよ」なんて言うとせっかくの人材をその場で失うことになります。

これは伝聞なので削除したのですが、呆れかえる話でした。けっこう外からは立派に見える広告主でこういうことが起きてるんですよね…。

P.195
そもそもの広告業界の問題点としては、「scrub」だらけになってしまったということが大きいです。騙そうとしてるのかと思ったら間違いを信じ込んでいた営業さんとか、CM作ったことあるのかと疑いたくなるようなCDとか。タクシーの新米運ちゃんが道を知らないと怒る人多いですが、エージェンシーのscrubは発注主からCMの作り方を手取り足取り教えてもらって授業料を払うどころかタクシーの1万倍のフィーを請求しますからね。

最近JACがCM適正見積のハンドブックを作ったのですが、かえって広告主の不興を招いているようです。実は営業さんが見積もりの出し方について全く知らないscrubだった、とかいろんなことがバレたりして。scrubの意味を知らない方はググってください。

P.203
大戸屋はバイトテロを受けてからV字回復を期してメニューを一新したところそれがかえって徒となりさらに集客減。泥沼からまだ脱し切れていないようです。こうなるともうマーケティングも何もかも吹っ飛びます。

カワイソ過ぎます…。

P.198
部分最適弊害のわかりやすい例は教育システムでしょう。うちの子どもたちもかなりの被害に遭ったのですが、学校という「部門」の最適はいじめを抑えるではなく、いじめを「ないことにする」です。つい最近のニュースでも、教師たちが小学生レベルのいじめを新任教師にして、校長がもみ消していたとか。いじめがない(と言う)学校ほど上から評価されるわけですが、そういう学校ほどとんでもない事件をやらかします。教育関連法の改正に当たって僕はそのことで文科相とメッセージのやり取りをしたこともありますが、部分最適を全体最適に改めない限り教育の問題が解決できるわけはありません。これを企業に当てはめるとどうなるかぜひ想像してみてください。

教育システムの部分最適でうちの子どもたちも相当な被害を受けました。そう考えていくと、部分最適って日本全体にはびこってるカルチャーなんですかねえ。全員がてんでに権利を主張して、自分だけの利益誘導を図って、それを全て叶えたことにしなければいけない。そんなことは不可能なので、どこかで嘘が混ざり、歪なカタチのまま進んでいく。

僕がこの本で書いていることは、いわば、マーケティングにおいて民主主義はもう腐敗する一方なのでトップの独裁制を強めてくれ、てお願いとも言えます。社会全体もそうなのかな。共産主義も全体主義も失敗しちゃったし、もっと優れたイデオロギーってできないんですかねえ。

次回は「第5章」です!

小霜和也氏×電通デジタル川上 宗一社長 トークイベント開催決定!

『恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。』の刊行を記念し、著者の小霜和也さんと、電通デジタル代表取締役社長に就任された川上宗一社長の対談を行います。

経営者目線で今必要とされるマーケティングの全体像を俯瞰した本書ですが、広告会社の方にとっては、「クライアントが読む前に、読んでおかないとマズい1冊」でもあります!

経営者のマーケティングに対する意識の変化に応じて、
今の時代におけるエージェンシーの役割はどうなっていくのか?
エージェンシーがどのように経営者と対峙していけばいいのか?
などについて、語り合うこの対談。

広告会社の皆様、貴重な機会をお見逃しなく。

開催概要

※定員に達したため、申込を締め切りました。

日時:
2020年2月14日(金) 19:00~21:00(15分前に開場)
 
会場:
ガーデンシティ渋谷 ホールB
東京都渋谷区渋谷2-22-3 渋谷東口ビル(渋谷駅より徒歩3分)
 
参加条件:
『恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。』をご持参いただいた方。
当日販売もしております。
Kindle版ご利用の方は、受付にて画面をお見せください。
 
定員:
80名
 
申込み方法:
こちらよりお申込みください。
・席数に限りがあるため、事前のご予約をお勧めします。
・定員になり次第、受付締切となります。


恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。

<目次>

はじめに


第一章 社長、まずはマーケティング部をなくしましょう
・マーケティング=価値の創造
・マーケティングの4P
・総力戦の時代
・マーケティング部を宣伝部に戻す
・貯めるべきもの3つ「直感力、共有知見、データ」
・忖度のない体質がマーケティング体質


第二章 「名物宣伝部長」はどこいった
・管轄外の責任を負わされる宣伝部長
・広告業界の構造的問題
・宣伝部とエージェンシーの深まる溝
・CMOに「4P」全部預けられるのか?
・社長と部長はパートナー


第三章 御社は「ミドル・ファネル」作れますか?
・ミドル・ファネルから作る
・外してならないファネルだけが外れてる
・トップ、ミドルのクリエイティブを寸断させない
・社長は「トータルCPA」を見る
・部門「間」がますます重要に


第四章 やっぱし事件は現場で起きている
・制作現場の実状
・戦略、メディア設計、クリエイティブの順に
・現場の忖度で得体の知れないものができあがる
・社長が「おかしい」と感じたら、何か起きている


第五章 「Vision」の本当の話をします
・時代変動の中で自分は何者か再点検
・Visionを間違うと正しいマーケティングはできない
・Visionの話(つづき)
・Values
・オレのCI


第六章 テクノロジー変わるマーケティング思想変えるビジネスモデル変える
・新たなマーケティング思想、カスタマーサクセス
・競合より顧客の動向を見て成功する
・広告という神話
・顧客を手放さないサブスクリプション
・商品は優れていても、ビジネスモデルで負けていないか
・テクノロジーが新しいビジネスモデルを閃かせる


第七章 不買運動が起きてます!
・SDGsはイケてる
・誰かを変えるCSR、自分を変えるCSV
・ESG投資で変わる企業の戦い方
・Belief Driven
・次世代の動き
・SDGsはこれからの参加資格
・IRで商品Promotionの土壌をつくる


第八章 社長、さっき言いかけたことですが


おわりに