政府による緊急事態宣言は解除に向かう見通しだが、すぐに客足が戻るかは不透明だ。そうした中、高級飲食店がeコマースでキットを発売したり、タクシーで宅配したりするケースが出てきた。
食品宅配を手がけるオイシックス・ラ・大地は5月28日、人気料理店のシェフと共同で、オリジナルのレシピと必要な食材、調味料をセットにして発売する。参加するのは、髙澤義明氏(レストラン「TAKAZAWA」)、和知徹氏(フレンチビストロ「マルディ グラ」)、鳥羽周作氏(レストラン「sio」)。各氏が考案したメニューを家庭で再現できるというのが売り。
オイシックス・ラ・大地は今後も外食業との連携を強化するという。5月21日には、イタリアンレストラン「クッチーナ・ジャンニ」の小崎陽一氏による「バスクチーズケーキ」の販売を始めた。ほかにうなぎ専門店「炭焼うな富士」、ちゃんこ鍋専門店「門」の商品を扱う予定。
5月19日、Twitterの公式アカウントで取ったアンケートでは、「緊急事態宣言後に外食に行きますか」という質問に対し、「しばらく様子を見る」が47%と最も多かった。「頻度を減らして行く」は22%、「行く」は20%となった。「行かない」は11%だった。回答数は684件。同社では、飲食店の利用意向について「(新型コロナウイルス感染症の拡大による)影響がなくなるまでには時間がかかることが想定される」と分析している。
タクシーによるデリバリーを行う店舗もある。「ロウリーズ・ザ・プライムリブ」(運営=ワンダーテーブル)だ。6月1日から恵比寿ガーデンプレイス店で実施する。
日本交通のデリバリーサービスを利用する。公式Webサイトや電話で予約注文し、現金かクレジットカードで直接ドライバーに支払う仕組み。価格は、シャンパン付きセット4人分で1万8000円(税抜)〜。「オーパス・ワン 3本セット」18万円(同)といったワインのセットもある。
配送料金は、おおむね店舗からの距離に応じ、港区、渋谷区、品川区で2000円(一部地域は3300円)。最大で足立区、江戸川区などは7000円となる。注文した品の代金にかかわらず一定。
タクシーによるデリバリーサービスは、新型コロナウイルス緊急事態宣言により飲食店等における配送ニーズが増加している状況を踏まえ、特例的に認められた事業。日本交通は、東京都内第一号として4月22日に許可を受けた。「ウルフギャング・ステーキハウス」は4月25日から同サービスを利用している。
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