クリエイターが考える、withコロナ時代の交通・OOH — Vol.4 佐藤カズー氏

【関連記事】「クリエイターが考える、withコロナ時代の交通・OOH — Vol.3 木村健太郎氏」はこちら

「これからの新しい交通・OOH広告を創造する」を目的とした「Metro Ad Creative Award 2020」の作品募集が10月12日に開始しました。今後より一層の作品応募が期待されるなか、本リレーコラムの第4回として、プランニング部門の審査員を務めるTBWAHAKUHODO チーフ・クリエイティブ・オフィサーの佐藤カズー氏が登場。「withコロナ時代にクリエイターが考える 交通・OOHに贈る期待」をテーマに、人・社会にとって大きな転換点を迎えている今こそ求められるクリエイティブについて語ります。

広告媒体という位置づけから、生活者へのエールを送る存在に

人々が絶え間なく往来するニューヨークやパリ、そして日本の都市部から消えたにぎわい。新型コロナが世界中の経済活動だけでなく、人々の生活様式を一変させたことで、都市と密接に関わる交通・OOH広告の在り方も新たなフェーズを迎えています。それは、都市における情報発信を担う単なる広告媒体という位置づけから、都市で生活する人々に向けて“エール”を送る存在になっているということ。例えるなら、マラソンランナーに向けて沿道から旗を振って応援する人でしょうか。

その印象を強くしたのは、6月に東京メトロ・表参道駅で開催された「医療従事者21名のポートレート写真展」です。駅構内には、コロナに立ち向かう働く医療従事者21名の写真とともに、医療従事者への感謝を伝えるコピーが掲出され、広告の原点のような広告主の強いメッセージ性を感じました。また、JR・五反田駅のマスク着用を啓発するポスターも、駅員さんの手作り感あふれる質感が胸に刺さりました。街を歩く人を思ったものであれば、荒削りなクリエイティブでもいいのです。自社のPRに終始するのではなく、そこにいる生活者のインサイトを理解したうえで人々に寄り添う“for me”ができることが、今の時代の交通・OOH広告には求められると思います。

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