【前回コラム】「コロナ禍のアメリカで「ホリデー商戦」スタート 菓子メーカーはデジタルシフトで商機を掴む」はこちら
今年も約束どおり、11月第4週の木曜日にサンクスギビング・デイ(感謝祭)が訪れました。アメリカのホリディシーズンの中核となるサンクスギビングとクリスマスは、日本でいうお盆とお正月のような2大イベントであり、遠方からも家族・親戚が集い、七面鳥やパンプキンパイ、クランベリーソースなど、秋の収穫物やご馳走で祝宴をすることで知られています。
例年はサンクスギビング・ディナーの後にセールに直行する姿も
1620年当時、メイフラワー号でアメリカにやってきた入植者達が飢餓や病気に苦しみ、ネイティブアメリカンに命を助けられたというアメリカ史を思い出し、今年の豊作に感謝をするというのが感謝祭のストーリーなのですが、その伝統の一環としてサンクスギビング・デイの翌日に「ブラックフライデー」が生まれました。
アメリカでは、例年ならサンクスギビング・ディナーが終わるや否や、ブラックフライデーの最もお得なセール商品目当てに有名店に直行する人が続出。真っ先に中に入れるように、ドアが開くまで列をなして一晩中外で待つのが風物詩でした。
では、どのようにして「収穫への感謝の気持ちを祝う行事」が、ショッピングへとつながっていったのでしょうか。
ブラックフライデーはルーズベルト大統領の国家施策?
アメリカ人にとってサンクスギビングの翌日は、クリスマスシーズンの公式な始まりです。サンクスギビング・デイが11月末の木曜日として設定されたのは、1863年でリンカーン大統領によるものです。その後第4週の木曜日に固定化され、その週末を4連休としたのはルーズベルト大統領で1941年のことです。
クリスマスのちょうど1カ月前に当たるこの週末は、家族や友人のクリスマスギフトを購入するにはうってつけの休暇。そのため、ブラックフライデーはその経済効果を見込んだルーズベルト大統領の国家施策とも言われています。
その後、ブラックフライデーは1年で最も価格が安いセールの日、かつ1年で最も売上が上がる黒字の日、と認知されるようになりました。
しかしながら今年のアメリカでは、COVID19による第二次、場合によっては第三次のロックダウンがすでに始まっており、ホリディシーズンやバーゲンの活気が見られません。今年は多くの店舗がパンデミックで営業制限されているため、販売数が減少し、それに伴いバーゲン価格で買い物をする人も減少しました。
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