日々活躍されている広報担当者の皆さんは日頃、どのようにして情報収集しているのか。さらには、広報会議がどのように役立てているのか、を聞く本連載。回は、医薬品事業からスキンケア、食、再生医療まで幅広い事業展開をするロート製薬の広報・柴田春奈氏に取材。柴田氏曰く「セクショナリズムを嫌う企業風土」と語る同社における情報収集の方法を聞きました。
ロート製薬は2016年から複業を解禁するなど、働き方において業界内でも一歩先を行く企業だ。そんな同社で働く柴田春奈氏も、ベンチャー企業のPRを担当するなど、複業している。今回はそんな同氏の情報収集術を聞いた。
新たな発信の切り口として
日頃の情報収集としては、テレビ・新聞などマスメディアからはもちろんのこと、SNSを活用。理由は、Z世代からリタイア世代まで、各世代で様々な流行りや話題があり、そのキャッチアップにはSNSが有効だ、と考えているからだ。「Twitterでは検索機能でチェックします。キーワードは当社製品にかかわるものから、あまりかかわらないものまで広く検索を掛けています。というのも、今すぐには当社と関係なさそうなものも、例えば『こんな働き方を取り入れる会社もある』などと社内に共有しています」。そんな情報収集のツールの中に、『広報会議』も存在するという。
胃腸薬から始まった同社だが、今や売上の6割をスキンケア事業が占める。また、2013年には再生医療研究企画部を新設。「最近では香りに関する新規事業も展開していますが、ロート製薬なのに香り? と驚かれることもあります」。
このように、商品自体に十分なコンテンツ力がある一方で、より手に取りやすい商品が多いことから、工夫しないとコモディティ化、価格競争の波にさらされる、という危機感を持っているようだ。「単純に機能性を訴求するだけではだめだ。切り口はどうする? 分かりやすく伝えるにはどうしたらよいか? と、常々考えています。その中で、アウトプットの参考にさせてもらっているのが『広報会議』です」。