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ツイッター広告、買収後も不変 広告事業責任者語る

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4月にイーロン・マスク氏の買収提案を受け入れて以降、同氏による取りやめの示唆や、偽アカウント(=ボット)調査データの提供要求など、ツイッターが揺れている。こうした中、同社の広告事業責任者のジャン=フィリップ・マウー氏が来日し、AdverTimes.のインタビューに応じた。

©jetcityimage/123RF.COM

――来日の目的は。
日本は当社にとって、米国に次いで2番目に大きい市場だ。日本のクライアントの需要を理解し、この市場での成功を、他国にも広げたい。新型コロナウイルス感染症の拡大が一服し、初の海外出張となった。クライアントやパートナー企業へ謝意を伝えたいとも考えた。

――マスク氏による「ボット」にまつわる指摘に端を発し、日本でも買収の顛末に視線が注がれている。
ひとつ言えるのは、広告事業をはじめ、当社のビジネスはこれからも続いていく、ということだ。私が責任者を務める広告事業でも、基本的な戦略は変わらない。クライアントのビジネスの発展をTwitter広告でサポートしていく。

買収についてはいまだ交渉中の状況にあり、完了するまでに6カ月から12カ月はかかる。消費財関連やゲーム、テクノロジー企業、エージェンシー企業など、多くのクライアントからパートナーからも同様の質問があったが、これ以上お伝えすることができないのが残念だ。

――2023年をめどに、売上高を伸ばす方針を示していた。ツイッター社の収益の多くは広告だが、進捗はどうか。
力強く進んでいる。2021年は成果を収めた1年だった。2022年もスタートは順調に切れたと考えているが、地球規模での情勢は慌ただしい。コロナ禍だけでなく、ロシアによるウクライナ侵略なども経済には影を落としている。

広告主も注意深くなっていると感じる。特に欧州では、サプライチェーンへの影響が大きい。原料を調達できず、製品を十分に流通させられていない業界もあるようだ。

その中では、日本市場は、自動車業界や金融業界を除けば、比較的影響は軽微ではないだろうか。ただ、影響の多寡によらず、クライアントは投資対効果(ROI)を求める。Twitter広告がROIを高めるものであることを、引き続き周知に努めたい。

――20年、21年は新型コロナウイルス感染症という世界的な災害から転じて、広告はオンラインシフトが進んだ。その分、22年、23年は反動減もあるのではないか。
デジタル移行は今後も続くだろう。広告主の予算は、消費者が何を見ているか、どこに注意を払っているか、という点で、差配される。コロナ禍は契機のひとつではあるが、デジタルデバイスに接触する時間が長くなれば、そちらに予算が割かれるのは自然なことだ。

しかし、これからコロナ禍で制約を強いられていた業界、たとえば実店舗は、復調を見せるはずだ。その影響を受けて、eコマースの成長率は多少鈍化するかもしれない。

――データプライバシーの遵守や、オンライン広告の規制も進んでいる。
ツイッターとしては、第一に法律遵守にコミットする。プライバシーへの配慮も重視している。

これは一般論だが、広告には多くのポジティブな側面があるはずだ。極端なケースを火付け石として、悪い面ばかりに注目が集まっているのではないか。広告にどのような良い面があるかについては、業界全体、あるいはそれよりも広く、議論されるべきではないだろうか。

たとえば広告でサポートされているからこそ、無料でコンテンツを提供することができる。ほかにも無償でアクセスできるさまざまなサービスがある。

広告のポジティブな面と、利用者の権利保護は両立する。データプライバシーの保護において重要なのは、選択肢の提供と、それに対する同意だ。もちろん広告に用いるテクノロジーや商品設計は進化しなければならない。プライバシーなど利用者の権利を守りながら、効果をあげられるようにする、ROIを高められるようにする、といったことには力を注ぎたい。