デロイト トーマツ グループは日本の上場企業3553社の有価証券報告書を用いて、サステナビリティ情報開示の状況を、一部生成AIを活用したテキスト解析により分析。その結果を発表した。
対象企業は、2023年4月1日から2024年3月31日までに決算期を迎え、かつ、2024年6月30日までに当該期間の有価証券報告書を提出した東京証券取引所上場企業のうち、過去3年間にわたり決算期の変更なく有価証券報告書を提出している企業(3553社)となっている。
人的資本についてほぼ全企業が記載
「サステナビリティに関する考え方及び取組」の記載欄の記述量を前年の結果と比較したところ、1企業あたり平均で1000文字以上増加。開示2年目を迎える企業の約半数が記述量を前年比10%以上増加させており、多くの企業が継続的に開示の充実に取り組んでいる傾向にあった。領域別では、「人的資本」はおおむね全企業、「気候変動」は7割を超える企業が開示した。
図 領域別開示社数(2023年、2024年決算)
※前年度に同欄に記載していた企業群(2160社)に限定して集計
「人権」「生物多様性」「水」関連の事項について開示する企業も増加しており、開示対象とする領域の拡大が記述量増加の要因のひとつと考えられる。
【気候変動】Scope3の削減目標開示は1割程度
GHG排出量(温室効果ガス排出量)については、Scope1(自社が直接排出するGHG)、Scope2(自社が間接排出するGHG)、Scope3(原材料仕入れや販売後に排出されるGHG)のスコープ別でGHG排出量に関する削減実績の開示社数を分析。
