「販売店のリード獲得が8倍に」光学機器メーカーがオウンドメディアを刷新

自前の情報発信拠点として多くの企業・団体が注目するオウンドメディア。戦略の立て方や効果測定の方法、制作のコツを探ります。
※この記事は『広報会議』2024年10月号の転載記事です。
<!–

TODAY」DATA

–>

企業名 カールツァイスビジョンジャパン
オウンドメディア名 「ZEISS PEOPLE」
URL https://www.people.zeiss.co.jp/
開設 2021年8月
所轄部署(うち人数) マーケティング部(5人)
制作体制 広告代理店と協業して制作
コンセプト for Diversity, for Sustainability, and for the PEOPLE.「すべての人に『あなたにとっての快適な視覚』を、より多くの人に『視覚から拡がる新たな体験』を発信し、共有すること」
更新頻度 月1本
総記事数 約70本
セッション数 約3000/月
CMS WordPress
効果測定 オウンドメディアへのセッション数、販売店検索へのリード

カメラ、工業・医療機器などの光学製品を取り扱うドイツのメーカー、カールツァイス。カールツァイスビジョンジャパンはそのグループ会社として眼鏡レンズの製造販売を行っている。

同社は日本国内での認知度向上を目指し、2021年にオウンドメディア「ZEISS PEOPLE」を開設。「選ぶ人」「作る人」「伝える人」の3つのカテゴリで、レンズ製品と人にフォーカスする記事を公開してきた。

しかし、「レンズを考えるメディア」と銘打ったこともあり、テーマや企画が限定的になり、コンテンツの停滞が課題に。

写真 誌面 『広報会議』2024年10月号

初心に立ち返り、視点広がる

そこで、改めてブランドアイデンティティやビジョンを基点に、2024年7月にリニューアル。グループ全体のブランドアイデンティティである“Seeing Beyond”から「サステナビリティ」、カールツァイスビジョンが新たに掲げるキャッチコピーである“NOBODY SEES LIKE YOU”から「ダイバーシティ」というカテゴリを新設した。

眼鏡のレンズなどのプロダクトや販売店の紹介は引き続き行うが、テーマを広げたことで、「視覚とは何か?」「見ることから発生する心の豊かさは?」など、よりバリエーション豊かな企画も生まれてきているという。

「今は “Seeing Beyond” “NOBODY SEES LIKE YOU”から外れていないかという観点に絞って企画を判断するようにしています。せっかく広げたスコープを狭めずに、メディアの色を模索していくつもりです」と語るのはマーケティング責任者の乾大輔氏。

一方、3年間の運用の中で、著名人を起用した企画はコンテンツの影響力に作用しないことも分かってきたという。

「著名人へのインタビュー記事も数多く出してきましたが、出した直後の初速は良いものの、長く読み続けられるものはほとんどありません。高価格帯である当社の商品を購入されるお客様に求められているものは何かを考え、当ブランドのキャラクターやフィロソフィーと合致した企画を重視しています」(乾氏)。

次のページ
1 2
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ