企業・ブランドの販売チャネルとして、今や当たり前の存在になっている自社EC。運用に踏み切る企業はますます増加している一方で、AIの台頭で在庫や物流の管理、広告展開、CRMやカスタマーサポートなど、新たな潮目が生まれています。本特集では様々な業種業態 49社のEC担当者に注力している領域や施策、解決すべき課題感などについてアンケートを実施。『販促会議』の年に一度の恒例企画として、EC担当者の注目ポイントを定点観測します。
本記事は、9月1日発売の月刊『販促会議』2025年10月号の転載記事です。
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EC運用の課題は「データ活用」
本特集では、49社のEC担当者にアンケートを実施しました。ここでは、担当者の回答から見えた ECサイト運用における潮流についてまとめます。まず2025年度、注力したい施策・領域については、「継続的な購買の促進(リテンション、リピーター獲得施策)」という回答が59.2%で最多となり、次に「新規見込み客の発掘(リードジェネレーション)」が続き、昨年同様の結果となりました(図1)。
今年の特徴としては、注力領域として「顧客データの収集・管理・活用」の回答が多かったことが挙げられます。その一方で、EC運用における課題では「データ活用」との回答が最も多く、注力すべきとわかってはいるものの、なかなか手が回っていない企業が多いといえるかもしれません。次点で「実施したいことを実施するための人手が足りない」ことを課題ととらえる回答が多い結果となりました。
リアル回帰による伸び悩み加速
また、「市場全体を俯瞰して自社ECが伸び悩んでいると感じるか」と聞いてみたところ、その結果は「はい」が44.9%、「いいえ」が42.9%、「回答不可」が12.2%(図2)。EC市場全体において自社ECが伸び悩んでいるという回答が「いいえ」を若干上回りました。
そして、その理由として多かったのは「買い物のリアル回帰の傾向が強まっていること」「顧客ニーズをつかんだオンライン限定商品の開発など、“ECで買う” 理由を設計しきれていないこと」「物価やデジタル広告といったコストが高騰していること」など。「伸び悩んでいる」が25.4%だった昨年と比較しても、年々オンラインショッピングで選ばれるECであることの難易度が上がっていると推測できます。
進むECにおけるAI活用
また今回のアンケートでは、ECサイト運用においてAIを活用しているかも調査。その結果、「はい」と答えた担当者は全体の55.1%となり、約6割がEC運用にAIを活用していることが判明しました。……
……この後の記事や、49社のEC責任者が回答したアンケートについては販促会議2025年10月号からご覧いただけます。
<掲載企業一覧>
食品・飲料
伊藤久右衛門/井村屋/エバラ食品工業/おやつカンパニー/カルビー/キーコーヒー/キッコーマン食品/湖池屋/サッポロビール/テーブルマーク/八代目儀兵衛/明治/森永製菓/ヤッホーブルーイング/吉野家/ロッテ
アパレル
青山商事/岡本/オンワードデジタルラボ/グラニフ/ゴールドウイン/三陽商会/タビオ/チュチュアンナ/デイトナ・インターナショナル/ビームス/ユナイテッドアローズ
日用品
アンファー/貝印/花王/木村石鹸工業/牛乳石鹼共進社/コクヨ/ピップ
化粧品
伊勢半/北の達人コーポレーション/バルクオム/ファンケル/ポーラ/マンダム
流通・小売
大丸松坂屋百貨店/中川政七商店/パルコ/日比谷花壇/良品計画/ロフト
その他メーカー
Sleepy Tofu Japan/タイガー魔法瓶/日本香堂
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