効果検証のカルチャーを根付かせるデータドリブンなプロモーションの未来
テレビをはじめとするマスメディア、さらにデジタルからオフラインの店頭での行動までがデータでつながるようになった時代。メディ
ア投資戦略にイノベーションを起こすような新たな取り組みが始まっています。本連載では企業側、メディア側、広告会社側それぞれの領域で新たな取り組みを始める方たちに取材。これからのマーケティング、マーケティング・コミュニケーションの方向性を探っていきます。今回は、放送局の課題解決に取り組む博報堂の「TV AaaS Lab」とTBSテレビの取り組みについて聞きました。
PDCAスキームを構築 進化するテレビ局の“番宣”
━━遠西さんはTBSテレビのプロモーション部でデジタル活用を推進しているそうですね。
遠西
:TBSテレビのプロモーション部は、プロモーションのプランニングから実行までを担当する部門です。現在、デジタル広告にとどまらないデータの活用を強化しており、その中でプロモーションのPDCAサイクルを確立させることに注力しています。施策を実施して終わりではなく、本当に番組視聴につながったのかを検証し、プランニングの精度を向上させていこうと考えています。
安田
:「TV AaaS Lab」では、テレビの価値向上を目指し、AaaS
※
を活用したコンテンツ分析や放送局のマーケティング支援など、さまざまなお取り組みをさせていただいています。遠西さんのプロモーションにおける挑戦は、まさにテレビの可能性を広げる取り組みだと思っており、私たちもその挑戦にご一緒させていただいています。
━━かつての番宣は自社メディア枠や新聞、OOHなどを使うケースが多かったと思います。昨今、デジタルだとどのような手段を使っていますか。
遠西
:地上波TVスポットでの番組宣伝は引き続き行っていますが、SNSプラットフォームはほぼ網羅しています。そのほか、広告では各プラットフォームへの配信に加え、OOHやイベントを起点としてデジタルに波及させるなど、あらゆる形でデジタルを活用しています。
━━「TV AaaS Lab」との取り組みについてお聞かせください。
遠西
:デジタルプロモーションにおいては、広告配信の結果、視聴まで繋がったのかを把握し、効率的かつ効果的な広告手法やプラットフォーム選定をしていくことが課題です。ただ、まずはプロモーションの効果検証をする社内文化をつくりたいと考えていました。そこで「TV AaaS Lab」との取り組みをスタートさせ、モニタリングダッシュボードを用いて、30番組以上のアカウント実績を一元管理するように。これにより、媒体ごとの広告配信実績や、公式アカウントの投稿への表示回数やいいね数などの各指標を確認できるようになり、施策の振り返りがスムーズになりました。次に、「Tele-Digi AaaS」を活用し、デジタル広告が地上波の視聴に繋がったかどうかの検証も行いました。