佐賀県の情報発信プロジェクト「サガプライズ!」は、IPコンテンツとコラボし、話題を集めています。コンテンツを生み出す過程は、職員の育成にもつながっていると言います。佐賀県 広報広聴課長の金子 暖氏が解説します。
※本稿は『広報会議』の連載「地域活性のプロが指南」より転載しています。1回目の原稿はこちら
※本稿は『広報会議』の連載「地域活性のプロが指南」より転載しています。1回目の原稿はこちら
「サガプライズ!」は情報発信を担うだけでなく、県庁の人材育成の面でも一役買う。現在3人のメンバーのうち民間出身は1人。残り2人は新卒で入庁した20代のプロパー職員で前経歴は長寿社会課と土木事務所などに所属。アニメやゲームなどIPコンテンツが好きな職員ではあるが、広報やプロモーションの業務を経験してきたわけではない。実際、サガプライズ!にアサインメントされる職員は初めて広報業務に携わる職員が多い。
マニュアルは存在しない
サガプライズ! は一般的な広報業務に加え、コンテンツをゼロから生み出す「コラボレーション」というプロセスがある。コラボ手法で世の中がアッと驚く佐賀県コンテンツを生み出さないと発信の仕事が始まらない。しかも、コラボ先とコミュニケーションを図りながら、時に大いに議論を交わしながら、双方で一緒に価値を生み出していく。
当然、コラボプロセスは全て新規なのでマニュアルはない。ディレクションを任された一人の職員が、自ら考え、未知のことにも主体的に取り組んでいく。私もサガプライズ! の現場時代、コラボが成立しなかったり、クオリティが上がらなかったりと、生みの苦しみを何度も痛感した。