これもう「のりやん」!? カルビーが高騰する海苔に対してじゃがいもでんぷんで代替アップサイクル

かつては朝廷に捧げられる高級品だったが、現代では庶民の味方の「海苔」。ところが令和の2025年に高級品に戻りつつある。地球温暖化による海水温の上昇、クロダイや越冬カモによる食害、海水に含まれる窒素不足などの貧栄養化で養殖ノリが記録的不作となり価格が高騰している。全国漁連のり事業推進協議会によると、漁連や漁協が販売する「海苔」1枚あたりの平均単価が、2020年度には10.49円だったところ、2024年度は24.13円と2倍以上になっている。

出典:全国漁連のり事業推進協議会

出典:全国漁連のり事業推進協議会

こうした状況を受けて、カルビーはポテトチップスなどの商品製造時に出た原料じゃがいものでんぷんをアップサイクルした代替のり「のりやん だし醤油味/わさび塩味」を11月5日に発売した。カルビーアンテナショップ「カルビープラス東京駅店」で数量限定販売する。

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社内の新規アイデア提案制度で当時新卒3年目の若手社員が提案し採択されたもの。カルビーでは、2023年度からイノベーティブなアイデアや課題解決につながる新規事業を募集する制度「Innovation&Beyond Festa」をスタートした。「のりやん」は第1回の大賞アイデア。

企画した研究開発本部の工藤凜平氏は「近年ののりの漁獲量減少を受け、のりの代替食品を開発しました。今回はカルビーらしく、スナック感覚で召し上がっていただける商品を提案しました」と語った。

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開発にあたって、のりそのものと組成がまったく異なるため、しなやかかつパリッとした食感の再現に苦労したとのこと。構想から約2年間、2000回以上の試作の結果、納得のいく食感や風味に辿り着き、まるで“のり”のようなパリパリ食感が楽しめる商品となった。

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